軽症 | 中等症 | 重症 |
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呼吸困難を伴わない、発熱、倦怠感、咳、上気道症状など。ほとんどは入院の必要はない。 | 呼吸困難を呈した場合、少なくとも中等度の疾患であることが懸念され、これらの患者はしばしば入院を必要とする。胸部画像に浸潤があっても中等症である。 | 2020年5月1日のEUA(The European University Association)では、重度の疾患を持つ患者を、酸素飽和度(SpO2)が94%以下の患者、補助酸素が必要な患者、人工呼吸が必要な患者、ECMOが必要な患者と定義。 |
重症度の定義は、米国食品医薬品局が使用している定義ではEUAの定義からECMOが外れるが、実務には影響がない。一部の研究では、低酸素血症に加えて、頻呼吸、呼吸困難、胸部画像での肺実質の50%以上の浸潤などをあげているものもある。
パルスオキシメトリ(経皮的に酸素飽和度を測定する装置)が酸素飽和度を過大評価する可能性があるため、皮膚の色が濃い人の酸素飽和度の評価には特に注意が必要である。
COVID-19治療における酸素化目標
COVID-19の重症度の定義でSpO2がなぜ94%なのか、ということについては、「酸素化目標が94%だからそれを切ったら重症」という事である。この酸素化治療目標も世界的にきちんと決められている。
世界保健機構は、初期治療時には経皮的酸素飽和度(SpO2)が94%以上、酸素化維持時には90%以上になるように酸素を滴定することを提案している。ほとんどの患者では、酸素化目標を達成するために必要な最低のFiO2を使用し、可能であればSpO2を90~96%にすることが理想的で低酸素血症は避けるべきである。初期治療で高いSpO2が得られた場合、高酸素状態が長く続かないように、安全な範囲ですぐに補助酸素を減量する必要がある。高濃度の酸素による組織傷害を防ぐためである。低い目標値が必要な患者(例えば、慢性閉塞性肺疾患による急性高呼吸不全を併発している患者)や高い目標値が必要な患者(例えば、妊娠中)がいるため、目標値の個別化が重要となる。
色素の濃い皮膚を持つ患者に SpO2 目標値を使用することは、パルスオキシメトリが動脈酸素化を過大評価し、そのような人の低酸素血症を特定できない可能性があるため、特別な注意が必要となる。米国食品医薬品局および米国疾病管理予防センターは、COVID-19を使用する患者をリスク層別化する際に、これらの懸念を強調している。COVID-19 を持つ皮膚の色が濃い患者の場合、SpO2 測定の正確性を確保するために、SpO2値を動脈血ガスから得られる飽和値と相関させることが賢明であると考えられている。注意すべき点は、SpO2と動脈血酸素飽和度の相関関係は、特定の患者において時間の経過で一定でない可能性があることである。したがって、特に急性の状況では、あるいはある一定の間隔で、相関関係のチェックを繰り返す必要がある。このような矛盾が生じる可能性は、黒人患者では潜在性低酸素血症(SpO2が92〜96%であるにもかかわらず、動脈血酸素飽和度が88%未満)の割合が12%であるのに対し、白人患者では4%であったという研究で示されている。
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