COVID-19新型コロナウイルス感染後の疲労に対処する方法

COVID-19

Medical concept of post-covid syndrome. Long COVID. Post COVID-19 stage

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入院するほど重症じゃなかったのに、自宅で回復して全身倦怠感が続くということ、ありませんか?

ウイルス感染後の疲労とは、ウイルス感染後に体調不良や倦怠感が長期間続くことです。

疲労は、新型コロナウイルス感染症COVID-19のようなウイルスと闘うための身体の正常な反応の一部です。疲労感は、感染症が治った後もしばらく続くことがあります。睡眠時間が長くなったり、足元が不安定になったり、長時間立っていることが困難になったり、集中力や記憶力にも影響を与えます。

疲労の症状とは?

疲労の症状には次のようなものがあります。

  • 作業の順序が間違っている
  • 一度に複数の作業を行うことがますます困難になる。
  • 物事を忘れることが多い
  • 考えずに自動的に作業する
  • 少しの時間でも眠ってしまう
  • いつも疲れていたり、あくびが出たりする
  • いつもよりイライラする
  • 作業中にイライラする
  • 集中力が低下する
  • 口下手になる

新型コロナウイルスに感染したら|COVID後遺障害を防ぐための対策もかかったときから始めましょう

まずは他の人に感染させないようにしましょう

厚生労働省のガイドラインや検査した医療機関、保健所の指示に従ってください。症状が悪化した場合は、主治医または保健所の指示に従い、医療機関を受診しましょう。

しっかりと休息を取りましょう

感染症と闘うには、休息は非常に重要です。身体と心の両方を休める必要があります。テレビや電話、ソーシャルメディアなどは精神力を使い、かえって疲れることになりますので最小限にとどめましょう。

リラクゼーションすること、呼吸を整えること、ゆっくり目を閉じて瞑想することなどは、質の高い休息につながります。また、好きな香りや肌触りの良い毛布、リラックスできるヒーリングミュージックをかける、部屋を暗めにするなど感覚的にリラックスできるものも効果的です。

肉体的な活動も、思考することも、エネルギーを使い、疲労の原因となります。洗濯や着替えなどの基本的な日常生活の動作を含め、1日に行う活動の数を少なくするように心がけましょう。

質の良い睡眠を心がけましょう

睡眠時間を質よくしっかりとるために遅い食事、睡眠前の電気製品の使用を控えるなど、健康的な睡眠習慣で過ごしましょう。

栄養もしっかりとりましょう

普段通りの飲食を心がけましょう。味覚障害・嗅覚障害があると余計に食事したくないかもしれませんが、感染症と戦う体にはエネルギーが必要なので、しっかり栄養補給をしてください。熱があると呼吸を通して水分が普段より余分に失われるので、脱水症状を来しやすくなっています。喉が渇いたら水分を摂り、尿の回数と量が通常通りになるように十分な水分摂取量を確保しましょう。尿の色が濃い場合は水分量が足りないと考えられますので、水分をこまめに撮ってください。

身体も少し動かしましょう

1日に数回、起き上がってゆっくりとストレッチなど体を動かしましょう。そうすることで、体を動かし、血行を良くすることができるのと、筋肉を使わないことで筋肉量が減ることをある程度防げます。

回復するための時間をしっかり確保しましょう

新型コロナウイルス感染症COVID-19の影響は人によって異なります。回復が速い人もいればゆっくりな人もいます。まずは御自分が回復するための時間をしっかり確保してください。

感染後の急性症状がおさまった後の影響は、ウイルス感染症の重症度と必ずしも相関しません。入院する必要がない軽症患者さんであっても疲労感を感じることがあります。早く普段の生活に戻らなければならないというプレッシャーを感じるかもしれませんが、精神的な負担により悪化することもありますので、焦らないようにしましょう。

また、読書やテレビ鑑賞など、エネルギー消費の少ないリラクゼーション効果もある気持ちが楽しくなる活動を短時間行い、定期的に休息をとる、を繰り返して生活リズムを作りましょう。

完全に回復したという自信が得られない場合は、仕事を再開しないでください。身体がまだ感染症と戦っているならそれに集中する必要があります。

新型コロナウイルス感染症COVIDからの回復がすすみ、活動性ををあげていく時期にすること

活動性を徐々に上げていきましょう

まだ疲労感が残っているが、全体的には改善しているという場合は、自分をいたわり定期的に休息をとりながら、無理のない範囲で、少しずつ軽い活動をしてみましょう。次の日に疲れを感じるかもしれないことを意識してください。焦って、「あれができない、これもできない」と思ってしまうと、そのストレスから疲労が増していくことが容易に考えられます。焦らず無理せず回復には時間が必要だと理解して取り組みましょう。

休息もしっかりとりましょう

体の回復を続けるためには、やはり休息が必要です。必要ないと思っても、1日のうちに短い休憩を取りましょう。何もしないで立ち止まったり、心を落ち着かせたり、呼吸法やガイド付きのリラクゼーション法を試してみましょう。

規則正しい生活のために日課を決めましょう

日常生活を規則正しく送ることは、体を安定させるのに役立ちます。睡眠、食事、日常生活の習慣を少しずつ再開していきましょう。徐々に普段の生活に戻していきましょう。焦らないでください。眠れない場合は、はやめにご相談ください。ミネルバクリニックでは往診もオンライン診療も可能です。まずは03-3478-3768にお電話を下さい。

考える活動はこの時期はまだなるだけ避けましょう

メール、買い物内容の考案、その他の意思決定など、日常の「考える」活動は引き続き控えましょう。こうした脳の活動は高いエネルギーを消費します。短時間だけ行うようにし、終わったあとはしっかりと休息を取るようにしましょう。

徐々に活動量を増やしていきましょう

活動レベルを急に上げすぎると、疲れてしまいます。長期的な疲労を抱えている人に対しては、数週間ごとに活動レベルを上げるという取り組みをするのが一般的です。ゆっくりと着実に活動を行い、さらなる疲労を呼びこまないようにしましょう。

可能であれば段階的に仕事に復帰しましょう

最初に予想していたよりも長く仕事を休む必要があるかもしれません。段階的に復帰するのが最も効果的です。かかりつけの医師からの診断書が必要な場合が殆どですので、はやめにご相談下さい。疲労を管理するために必要な調整をせずに、すぐに仕事に復帰することは悪化の原因となりますので避けてください。

生活を楽しみましょう

人生は楽しい、ということを感じてください。日常生活では、やらないといけない、必要と思われることを優先しがちですが、楽しみをなくして必要性だけで生活するのは疲労を増しますので、バランスをとることが大切です。

これからどうなっていくの?

徐々に疲労感が取れて気分が良くなっていくかもしれません。
ウイルス感染後の疲労からの回復には、数ヶ月から1年以上を要することがあります。
ストレスや不安はエネルギーを使うので、回復までの時間を十分にとり、自分に優しくしましょう。

改善されない場合は?

アドバイスを求めましょう。毎日の活動のペースを上げても、できることが増えない場合は、医師にご相談ください。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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