三重大学病院麻酔科問題追加報告書

仲田洋美オフィシャルブログ for medical 医療を斬る

正義の女神

みなさま、こんにちわ。
今日もやはり気になることがあり、追加報告書を今、全国に発信中です。
オノアクトの使用の何が不正と認定されたのかがわからないため、全国の麻酔科で混乱が生じています。
どうぞご覧ください。
そして、大学の発表通りに本当に 黒 と報道すべきなのかについて、報道機関の方々には慎重になっていただきたいと思います。

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【追加報告書】三重大学病院に関する経過報告書

宛先:敬称略
日本医師会
日本麻酔科学会
日本外科学会
厚生労働省(特に三重選挙区である田村大臣)
三重県医療保健部(加太医療部長)
日本専門医機構と傘下の学会
日本医学会連合
全国医学部長病院長会議とその社員(各医学部長、各病院長):ご自身の大学の麻酔科学教室に配布お願いいたします。
全国の医学部麻酔科学教室

提出主
:医療法人社団ミネルバ 理事長
総合内科専門医・がん薬物療法専門医・臨床遺伝専門医・麻酔科標榜医 
仲田洋美
郵便番号107-0061 東京都港区北青山2-7-25神宮外苑ビル1号館2階
電話 03-3478-3768 FAX 03-3478-3768
Email
資格: 医籍登録番号 第371210号
麻酔科標榜医 厚生労働省医政発第1017001号 麻 第26287号
日本内科学会 認定内科医 第19362号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本プライマリ・ケア連合学会 指導医 第2014-1243号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号
日本感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター ID3121号
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医 第J-535号
日付: 2020年10月24日

Ⅰ 追加報告内容
 先般、皆様にはFAXをお送りいたしましたが、追加してお伝えすることがございますので、ご査収の上、ご検討よろしくお願いいたします。
1. オノアクト不正請求2800万円に関する疑問
 これに関して、麻酔標榜医を取得して以来一度も麻酔をかけていないペーパー麻酔標榜医のわたくしではあるが、凝り性故、標榜医修行中に心臓血管外科の麻酔も行っていて、医道審議会から「本当に自分で心外の麻酔をかけたのか」という疑義を頂いたくらいなので、オノアクトという薬の手術室での使われ方を説明する。ランジオロール塩酸塩(オノアクト)は短時間作用型β1選択的遮断剤で、それまであったプロプラノロールに比べて持続時間が短く、使いすぎて徐脈を起こすことも少ないため、レート(心拍数)管理がよりたやすいことから、心臓血管外科領域の麻酔では殊に好まれて使用される薬剤である。心外領域では発作性に激しい頻脈になるなどよく想定され、事象が確認されてから薬剤を溶解していては間に合わないため、溶解して注射器に引いて準備をしておくのが心臓血管外科領域の麻酔の習わしである。このように麻酔には使っても使わなくても溶解していては間に合わない場面があるため、引いて準備しておく薬はこれ以外にもある。
 したがって、オノアクトを全然使用せずに済んだとしてもそれは結果論であり、大抵は薬剤は破棄される。これを「使用した」とみるのか、「実際に患者に投与していないので使用していない」とみるのかは解釈の相違であり、もしもこのような場面を三重大学が「不正請求」と断じたのであるとすると、全国のことに心外の麻酔が大混乱に陥ることと容易に想像できる。
 ゆえに本件は一大学で黒と断じるべき問題なのかについては非常に疑問であり、現にわたくしのこの意見を聞いた医療マスコミ人が麻酔医に取材をしたところ同じ意見がかえってきたため、「大学発表通りに黒と報道されているがこれでよいのか」という疑問を持ち始めている。
 三重大学は刑事告発したようであるが、このような背景もあるため、私としては刑事事件としての立件も難しいのではないかという印象を抱いている。もしもこれを刑事事件として立件するのであれば、わたくしは麻酔医側に立つし、全国の麻酔医たちが立ち上がり被告人を守る動きが大野事件以上に強くなることは容易に想像できる。
 それより三重大学は何をもってオノアクトを不正使用と断じたのかを世間に説明すべきである。もちろん、溶解してもいない薬剤をごみ箱に捨てる形で捨て、請求したのであればそれは不正請求である。しかし、勤務医にそこまでしてオノアクトの売り上げを伸ばす動機が働くのかは疑問である。
 そして、たとえ診療科長がこのようなオノアクトの使用方法を部下に指示したとしても、それは、「不正請求」という認識をわたくしも含めた全国の麻酔科医が欠いているのであるから、犯罪が成立するためには犯罪を犯すという意思が必要であるところ、このような取り扱いが全国でなされているため、不正であるという認識もないと推認される。
 この使用方法が不正請求に当たるかどうかを一医療機関で黒と認定したのであれば、それはたとえば中医協で話し合うような内容であり、その判断を待ってそうするのが通常の手続きであろう。三重大学は本当は一体何のためにどのような事象をもってオノアクトを不正使用したと断定したのかについて、公表すべきである。現時点で全国の麻酔科には混乱が生じている。ことは三重大学1つの問題ではなくなっているのである。現状の麻酔現場の混乱は、三重大学が何を黒と判断したのかを公表しないがための疑心暗鬼からである。要するに多くの麻酔科医たちが「自分も立件されるのではないか」とおびえているということである。わたくしも今、麻酔をかけていたらこの報道に同じ思いをするであろう。三重大学の発表の仕方が悪いため、全国の麻酔現場に多大な迷惑をかけていることを三重大学は知るべきである。
 そして、自身の行動がどのような影響をもたらすかもシミュレーションする能力を欠いているのであれば、それは医育機関の病院長としてふさわしくないと言わざるを得ない。全国医学部長病院長会議はこのような社員がいることをまずもって認識し、事実を調査し、再発防止と改善のための計画を立てるべきである。とにかく我々としては事実関係を知りたい。そうでなければおちおち麻酔がかけられない。

-以上

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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