【偽善の帝王】上昌広【偽善の王子】岩田健太郎:続2・COVID-19をめぐるテレビ出演医師たちの虚言を暴く

仲田洋美オフィシャルブログ for medical 仲田洋美の独り言 歌舞伎町の女王VS偽善の帝王

※関心の高さを反映して、コメントが多すぎて業務に支障が出ますので、2/25午後1時30分以降のコメントには対応いたしません
あしからずご了承くださいますようお願いいたします。

みなさま、こんばんわ。

引き続き、岩田健太郎さんをはじめとするCOVID-19の騒ぎに対するわたしの私見を述べます。
私見ではありますが、わたしは理路整然と論理を通すことだけをするので、医師33万7千のうち1/3以上の11万5千を擁する最大の医学学会である日本内科学会の専門医部会きっての論客として有名でございます。
その割にテンネンなのでそのギャップも有名です。
嘘だと思うなら、日本内科学会事務局に電話をかけて聞いてください。
仲田洋美を知らない職員はおりません。
ためしに日本医師会館にでんわをかけてください。交換の女性たちにまでわたしは大変有名です。
常日頃、日本の医療の世界がどうあるべきかを考えて行動してきた結果であって、私が偉いというわけではありません。

  

これがCOVID19に関して発信したいままでのわたしの記事です。
今回、テレビでデマが拡散されていて、特に【医者の嘘】が広まっているので遺憾に思い、書くことにしました。
わたしは感染症の専門医ではありませんが、感染制御については学んでおり、ICDという資格も感染症学会からいただいております。
それと、わたしはウイルス検査で話題になっているPCR、つまり遺伝子検査の専門医(臨床遺伝専門医であります。また、がんの分野の専門医(がん薬物療法専門医)でもありますので、臨床試験に関する幅広い知識もあります(ないと専門医試験に合格できません。)
そして、日本内科学会の総合内科専門医でもあります。
こうしたわたしの持っている専門的な知見から今回の騒動に関して言及してみたいと思います。
お医者さんというのは、アカデミック(学術的)な内容を一般にわかりやすく述べるのが苦手です。これは我々の業界として取り組むべき課題だと思っています。しかし、一部の医者がテレビうけのよいことを電波に乗せてしゃべるため、本当に困ったことだと思います。
ちなみに、わたしは昔、テレビにオファーをいただきましたが、エビデンスのないことを言えない、というと、面白おかしくないとテレビ受けがよくない、ということで使っていただけなくなりました(笑)
それ以来、わたしは、テレビというのは刺激的な内容を拡散することで視聴率を稼いでスポンサーからお金をもらって成り立っていて、本当のことなんてどうでもいいんだ、社会的使命なんてマスコミには関係ないんだ、本当のことがしりたかったら、自分で調査しないといけない、ということを学びました。

日本内科学会ならびに日本感染症学会の皆様は、このページに誤認や誤記があるときは、速やかにご連絡をください。あくまでも正しい内容を発信することが目的ですので。

パンデミックになるのを阻止するためにやるべきこと

トリアージ

大事故・災害など同時に多数の患者が出る場合、割ける医療リソースは限りがあるため、緊急度に従って優先順をつけることが肝要です。
新興感染症の場合、たとえば不顕性感染(感染しても発症しない場合)がどれだけあるのか、感染者の中からどれくらいが重症化するのか、といった大事な情報が「いままでの経験がない」ために欠落しています。
そこで、判断しながら進むしかありません。
 
今回、新型コロナ感染症を疑わせるのは以下の内容です。
1.場所:感染症が発生した地域の人々はより感染している確率が一般より高い。
2.旅行歴:発生源の地域や近隣からの旅行者は、より感染している確率が増す。
3.接触:感染した、または感染のリスクがある人と密接に接触した人は感染する可能性が高くなります。
4.症状:発熱、咳、息切れなど、コロナウイルスに特徴的な症状がある人は、感染している可能性が高くなります。
5.画像検査:X線またはCTスキャンで肺炎のある人は、感染している可能性が高くなります。

 

ウイルス検査(PCR)

1.感染している場合:公共の利益のために隔離します
2.感染していないのにCOVID-19(新型コロナ)と診断された場合、誤って隔離されることで人権侵害を受けます。
3.感染しているのにCOVID-19(新型コロナ)と診断されなかった場合、隔離もされず、ウイルスを蔓延させる原因となります。
4.新型コロナに感染していなくて診断もされない場合、何の対処もなされないことになります。
 
このうち、問題となるのは
2番の偽陽性(まちがって陽性と出る):実は陰性の人を隔離してしまう。
3番の偽陰性(まちがって陰性と出る):実は陽性の人が大丈夫だと誤認して感染を広げる原因となる
 
ですよね。

 

PCR検査が誤る場合

1.感染の非常に初期の場合、検出可能なウイルス量を輩出していなかったりします。
2.ウイルス自体は体内の深いところ(肺の奥など)にしかいないため、咽頭や鼻腔のぬぐい液では採取できない可能性があります。
3.サンプル(検体)が偶発的に汚染されて陽性になってしまう可能性があります。(われわれはこれをコンタミと呼びます)
 

PCR検査ができるようになるまでの科学者たちの戦い

今回の新型ウイルスの検査体制がどうやってできたのかを説明します。
まず、2002-2003年にSARSがアウトブレイク(突然増えることをこういいます)しましたが、そのときはアッセイ(検査法)の確立に半年かかりました。
 
今回、武漢で原因不明の肺炎がアウトブレイクし、疫学的には海鮮・生肉の卸売市場と関連しており、未知のコロナウイルスが市場の職員から検出されました。塩基配列はGenBankに登録されています。
同じころ、3人の新型肺炎患者の気管支の洗浄液(気管支鏡で気管支に整理食塩液を流して回収したものです)から
新型のコロナウイルスを分離したという報告がなされました。こちらのグループは、https://www.gisaid.org/ で情報共有しています。
 
さらに武漢からの報告が続き、こちらでは、このウイルスは細胞に感染する際にACE2と呼ばれるリセプターを介していることが示唆されました。これは、SARSウイルスと同じ細胞侵入経路です。
 
SARSウイルスがアウトブレイクした後、世界の公衆衛生のため、複数の国際グループがPCRのためのプライマーを設計できるように取り組んできました。SARS(新型コロナと同じコロナウイルス属です。MERSも同じコロナウイルスです。)ウイルスに対する検査は上市された(商用)ものがありません。SARSウイルスに対するプライマーも研究用しかないのですから、そのあとにアウトブレイクした新型コロナには当然ありません。
*リンク先を見ていただいたらわかりますが、プライマーはPCRでDNAを増やして測定可能な量にするときに、DNAにまずくっついてそこから核酸がどんどんくっついていって複製される「とっかかり」の役割をするので、これがないとPCRできません。
 
次いで、リアルタイムPCRで新型コロナウイルスが検出できるということが報告され、WHOから25000のキットが159か国の検査所に送られました。(リアルタイムPCRはDNAを増やす、つまり増幅しながら量も測れるというPCRの変法です)
 
香港大学からはワンステップでリアルタイムPCR・逆転写PCR定量法をウイルスのN領域とORF1b領域に行う方法が報告されました。逆転写というのは、普通のPCRはDNAを増やすのですが、今回、RNAウイルスなので、RNAを一旦DNAに逆転写(ふつうはDNAからRNAに転写しますが、逆なので逆転写といいます)して、安定なDNAをどんどん増やして、かつ、リアルタイムで定量する、というやり方です。
N領域はスクリーニング検査、ORF1bは確認検査として推奨されます。
 
SARSウイルスはオルトコロナウイルス亜科ベータコロナウイルス属サルベコウイルス亜属という分類項目に所属しているのですが、ここに新型コロナはヒトに感染する7番目のウイルスとして位置づけられることとなりました。
 
こうして、SARS,MERSウイルスと近いとわかったCOVID-19に対しては、MERSと基本的に同じ戦略をとることとなりました。

 

PCR検査の感度特異度はどれくらいなのか?

PCR検査自体は正しく使われるととても感度が良いものです。
10コピー(個)のウイルスがあれば十分検出できる能力を持っています。
 
問題点は
1.そうした少量のウイルスが宿主に感染を起こすのか?要するにそこにあるだけでは感染とは言えません。ウイルスは細胞に侵入して細胞で増殖するため、「検出される」ことと「感染している」こととが同一ではありません。感染していると考えるためにはある程度の量がなければなりません。ある程度の量があると、細胞内に侵入して増殖した=感染が成立していると評価できるからです。たとえば口の中や皮膚や腸にはたくさんの細菌がいますが、それは、「そこにいるだけ」であってなんも悪さしていないので、「いるだけ」では感染とは呼ばないのです。感染はあくまでも人体に入り込むことなので、すくなくとも痰の中にいるだけでは感染と評価されず、細胞の中に入り込んで初めて感染と言えるのです。ところが、リアルタイムPCRでは計測可能な量が微量なので、これを超えている(計測可能=陽性になる)ことが感染していることと同一なのかについて疑問がある。
2.感染している患者さんのウイルスの検出に失敗することがある。
などです。
 
武漢の8274サンプルの分析報告では

8274件の被験者のうち、2745(33.2%)は2019-nCoVに感染。5277人(63.8%)の被験者は2019-nCoV核酸試験(NAT)(-019-nCoV以外)で陰性の結果を示しました。252例(3.0%)は、1つのターゲットのみが陽性であったため、診断は確定的ではありませんでした。元々1つのポジティブターゲットしか持っていなかった16人の患者が、数日後に再検査され、14人(87.5%)は最終的に2019-nCoV陽性、2人(12.5%)は最終的に陰性と確定。nCoV-NPとnCovORF1abの陽性率は、それぞれ34.7%と34.7%。

と報告されています。
思い出してください。上に書いていますが、 nCoV-NPはスクリーニング的に、nCovORF1abは確定診断的につかう、でしたね?
 
感受性というのは陽性を陽性とちゃんと検査で出した率なので、この場合は34.7%という数字を近似値として使用していいと思います。
これは、「健常な一般人」に対するものではなく、有症状もしくは濃厚接触者に対する検査だから、母集団を『臨床的な診断のついた人』と解していいと思います。
 
この報告以外にも、「明らかに感染しているのに検査陽性は3割くらい」という中国医学アカデミー幹部のWang Chen教授の発言も大体の感度は4割くらいということを伺わせます。
 
ですので、感受性(疾患陽性を検査で陽性とはじき出せる率)は約40%と見ていいでしょう。
特異度(疾患陰性を検査で陰性とはじき出せる率)は今までに報告されているSARSやMERSの検査から90%としてよいと思います。
 

PCR検査の感度が悪いことを受けて中国がしたこと

ちなみに、このPCR検査の感度の悪さを勘案したと思われる事象として、中国当局は2月5日の報道時点ですでに【診断基準を変更する】という決定をしています見逃しを防ぐためです。わたしはブラウザはChromeを使用していますが、右クリックすると日本語に翻訳してくれるので、粗いけど大体言っていることはつかめると思います。(わたしは中国語はぜんぜん読めません!)
 
要するに、感度の低い検査は、感染していてほかの人に感染を拡げる公衆衛生的に危険な人を除外できないため、診断基準を「ウイルスPCR検査陰性でも肺炎像があれば新型コロナと診断して隔離する」という方針に変えたんです。
これがこの検査の精度が低いことの何よりの証拠でしょう。
 

ダイヤモンド・プリンセス号にこの感度特異度を当てはめてみよう

報道から見るダイヤモンド・プリンセス号の乗員乗客数と感染者数

今までの報道で、全員で約3700人、このうち陽性者が約1/7とされています。

計算が面倒なので全員で3500人の集団で検査陽性1/7で計算しよう

 疾患陽性疾患陰性
検査陽性ab
検査陰性cd

検査陽性が3500/7=500人なので a+b=500
感度 a/(a+c)=0.4
特異度 d/(b+d)=0.9
となります。
この連立方程式を解くと、a 200 b 300 c 300 d 2700 となります。

要するに、罹患している人を200人この集団から陽性にはじき出すための検査で、300人の非罹患者が陽性と誤診されてしまう検査ってことですよね。
その本当は罹患していないが検査陽性の人たちは容赦なく隔離されることになります。
だからこそ、無症候な感染者が多いと報道されてるってことですよ。
感染してないのだから無症候で当たり前。
ピンピンしていて隔離されているってことです。

そして、本当は罹患している人たちを300人見逃してしまう検査なんです。

【緊急追加2/25】ダイヤモンド・プリンセス号に最近報告された(情報源確認してません)?感度70%を当てはめて計算しなおしてみよう

ちなみに、情報源の確認はその後おこなっていて540人ちょっとでしたので、近似値の500を使用します。

テーブルは上と同じ。

検査陽性が3500/7=500人なので a+b=500 も同じ。
感度 a/(a+c)=0.7
特異度 d/(b+d)=0.9
となります。
この連立方程式を解くと、a 175 b 325 c 75 d 2925 となります。

本当は感染していないが検査陽性のひとと、本当に感染してて検査陽性のひとは区別できないので同じように隔離。
そして陰性のうち本当は感染している75人を見分ける手立てもないので、このかたがたは自分が大丈夫とおもうと 感染源 になってしまうんです。

感度が40%から70%にあがったところでこうなるんですよね。
だから、だいじなのは感染防御をきちんとしてもらうことなんです。

テレビで派手にコメントする医者たちの虚偽を論破する

厚生労働省がダイヤモンド・プリンセス号の乗員乗客下船の際、PCRをやらず公共交通機関で帰したことは責められるべきことなのか?

元感染症研究所の職員らしい岡田晴恵教授(教育学部)が、テレビ朝日のワイドショーでこれに対して、「PCRは全員にやると聞いていた。やらなかった、検温と問診だけで下船させたことについて驚いて絶句している」というニュアンスで述べたと記憶しています。(見ました)

しかしもうすでに感染ルートが明らかでない感染が報告されていますよね。
全然何もないならともかく、もうすでにフェーズが違います。
 
市中感染もすでにあると容易に想定される中、公共交通機関で帰す、という判断は間違っていないと思います。
コロナウイルスは飛沫感染ですので、接触感染防御でいいのです。インフルエンザと同じです。
インフルエンザの人に、「電車に乗るな」というおふれは出ていますか?
もちろん、電車やバス航空機といった公共交通機関は閉鎖空間なので、積極的に利用するように勧めることは難しい。
しかし、全例送り届ける、となった場合、お金の問題ではなくて、タクシーで帰すとなると、運転手さんはどうなるのでしょうか?

結局、誰が本当に陽性なのかが正確でない中、移動させること自体がリスクなんです。
しかし。
いつまでも船内に監禁できます?それこそ人権侵害ですよね。
こういうことを総合的に勘案して、ある程度の期間集団隔離されていたとみなして、下船させる、という判断をしたのではないかと思います。

そもそも、さっきから言っているように、500人の検査陽性者の中に感染していない人が300人含まれているし、本当に感染している人を300人見逃す検査なのです。
偽陽性の人にとっては隔離されて重大な人権侵害を生じています。
さらに、本当は感染しているが検査偽陰性の人は、「無罪放免」と誤解し、喜んで世間に出て、実は接触感染を広げることにお墨付きを与えることになります。
そうではなくて、大事なことは、「咳エチケット」(咳やくしゃみなどの症状があるときはマスクをして他人への飛沫感染を防止する)、「手洗い」を徹底する、という指導をきちんとして帰宅させることです。
すでにフェーズは市中感染になっているので、個別に車などで自宅に帰してもあまり大きなメリットはありません。結局のところ、本当は誰が感染しているのかがわからないくらい低い感度の検査なのですから。

しかし、中国の隔離政策でも見た通り、ウイルス陰性で隔離されているのはCTで肺炎像のある人であって、無症候の人ではありません。

こういうことを全く考えもせず、

やれPCR全例ヤレ  ←長嶋一茂さんとか。テレビ朝日の職員の人とか。

とか意味がどれくらいあるかわかっていないのに騒ぐ人たちって本当に困りますね。。。。。

下船するときPCRしなかったから 絶句した とか言っていた元感染研の教授については、
こっちが絶句するわーー と言いたいですね。
本当に教授?しかも感染研にいたの?!って。

やってどれくらいの意味があるのかを考える、というのが公衆衛生の基本なんです。
公共の福祉、つまり最大多数の最大幸福のために誰かの人権を制約するわけですから、そこにはきちんとエビデンスと論理が必要なのです。

こうした情報がきちんとあるからこそ、厚生労働省は「全例PCRは、やらない」と言っていたわけですし、PCRせずに下船させ、かつ、公共交通機関で帰したのです。

とぼやくと魔女狩りにあうかな?と思い、昨日、ブログではなくフェイスブックでぼそっとぼやいてみて、みんな、おちついてくれー と書き込んだら好評だったので、今日はブログにしてみました。
 

この期に及んで全然知識もなく厚生労働行政を批判だけする上昌広さん

批判するのは勝手ですが、わたしがたった1日でググって得られて書けるこんな情報を、元東大教授の上さんが全然知らずに発信しているのだとすると、無知としか言いようがないでしょうし、無知だけではなく労力も払わず、専門家でもないのに専門家のふりをしてコメントし、アジテーションだけしている、という判断になります。

ちなみに、わたしは厚生労働省の人に聞いてこれを書いたわけではなく、彼らがこんな風に考えているんじゃないかと推測しているだけです。彼ら、忙しくて連絡取れませんから!
 

下船の準備に入った段階で突然ダイヤモンド・プリンセス号に無理やり乗り込んで騒いだ岩田健太郎さん

騒ぎたかったんでしょ?最初から。
*このように書くと、知らないかたは、「岩田さんにそんなことを言うなんて」と思うかもしれませんが、彼はいろいろ内科専門医部会その他でいままでさんざんやらかしているので、一部をここに書いていますからクリックしてご覧ください。
高山さん(厚生労働省医政局地域医療計画課)が許可したのがそもそも間違いだとは思います。こんな人乗せるなんて。
外国人記者クラブで会見なんて、素人相手にそんなことやってる暇があったら、国民の皆様がパニックに陥るのを少しでも防止しようとこうやってブログ書く洋美ちゃんを少しは見習ったらどうなのか?!そっちのほうが専門家なのに、どうしてPCR検査の感度特異度を説明しないのか??そもそもこんな感度の低い検査をやると、検査陰性のなかにたくさんの感染者が含まれてしまい、その人たちが他人に感染さすはずがないと思い込んで生活するため、この検査は本当に肺炎などがあって確定診断に使うくらいに限定すべきで、スクリーニング検査としては採用すべきじゃない、とか本当のことを言ったらどうなのか?と思います。
たまには余計な事せずにみんなの役に立て!!!と本当に怒りを感じます。
(そもそも岩田健太郎があんなことしなきゃ、ブログ3本書くなんてする必要がなかったし、こんな大作作る必要もなかったので。だんだん腹が立ってきました!(笑))

*わたしがここで岩田さんを呼び捨てにしたことで、ツイッターで絡んできた人がいましたが。わたしは、岩田さんが「虚言した」とは一言も言っていないですので誤解のないようによろしくお願いいたします。虚言であっても真実であっても、彼がこの時点でほとんど何の役にも立たない迷惑な行動をしたため、2時間で船から放り出されたことは事実です。役に立ってくれたなら放り出されなかったと思います。
感染コントロールってそういう世界なんですよ。やればやるほど疎まれる。むしろ、日ごろそういう世界にどっぷりつかって仕事をしているのなら、相手が受け入れやすい提案の仕方をするべきだったのではないかと考えますし、提案の仕方一つで追い出されることは彼は十分わかっている人材だとわたしは思っています。そうすると、追い出されるような行動をしたのは確信してのことであり、そのこと自体になんらかの意図があった、つまり騒ぎたかっただけ、ととらえられても仕方のない行動をとっているのだと思います。
彼が抗菌薬の使い方Ver2で15年前に書いていた通り、日本は感染症の診療では中南米以下という状況なんです。でも彼は、教授になって、感染症学会などでちゃんと認めてもらうことにより、いろいろなことを変えていける立場の人であるにもかかわらず、自分が正しいとだけ妄信し、相手がどう受け止めるのかを考えずに主張だけすることを繰り返してきたので、問題児だという認識がアカデミアでは大方で、彼が何を言っても皆さん動かなくなってしまったんです。言ってることは「おおむね」正しいので非常に残念です。これに関しては同じ感想を上昌広さんにも持っています。
いずれにせよ、正しくない表現を 虚言 とタイトルでまとめているだけです。タイトルは短くしか付けられないので、という理由が一つと、もともとこの前に2つ、偽善の帝王シリーズでタイトルを付けておりましたので、こういうタイトルにしました。それと、読んでもらいたかったらクリックしたくなるタイトルじゃないと、って思うんですよ。読んでもらえなかったら、いくらいいこと書いてもみなさんに広まらないのです。大方の皆さんは、タイトルがどうであれ、内容をちゃんと見てくれていると思って、大変ありがたく感じています。

 

超おまけですが武漢からの避難者に対するCDCの対応

CNNが報じている通り、CDC米国疾病予防管理センターは、2月14日、武漢からの避難者に対してウイルス検査は「やらない」と決定しています。すでに2人の陽性者が出て近隣病院で隔離されているのに、です。
「無症候性の人をテストしても、感染がまだ完全に確立されていない場合、真の結果が得られない可能性があります。偽陰性は偽りの安心感をもたらす可能性があります」というのが理由です。
わたしの書いてきたことをちゃんと読んでくれたみなさまには、この判断が至極まっとうだということが理解できると思います。

もひとつおまけで医師用掲示板に書き込まれたこのブログの紹介


出典 : https://community.m3.com/v2/app/messages/3388417
ね?
ちゃんと書いてあるでしょ?
医学部の学生レベルの話だって。この内容。
こんなことも知らずに やれPCRやれ、やらないとだめだと騒ぐ上さんも岡田さん(薬剤師ですが)も本当にどうかしている。

エムスリーの宣戦布告か?! どーなる、洋美ちゃん!!!

2020年3月13日
この引用に関してか、エムスリーからこのようなメールをいただきました。

【お名前】
エムスリー株式会社 様
【お名前(ふりがな)】
エムスリー株式会社
【性別】
男性
【お電話番号】
03-6685-6910
【E-mailアドレス】
info@m3.com
【E-mailアドレス(確認用)】
info@m3.com
【お問い合わせ項目】
その他
【お問い合わせ内容】
ご担当者様
【偽善の帝王】上昌広【偽善の王子】岩田健太郎:続2・COVID-19をめぐるテレビ出演医師たちの虚言を暴く
ブログの記事にDoctors Communityの画像を貼られていますが、
これは弊社の著作権を侵害し、また利用にあたって先生が同意された
「掲示板内の情報については、外部に開示しません」に反しております。
速やかに削除したうえでご連絡ください。

これに関しては、わたしのブログを医師用掲示板でも紹介して述べている人がいる、ということでわたしの言っている内容の信憑性がより分かるようにお付けしたまでであって
なんの秘匿性の高い文章でもありません。
community.m3.com/v2/app/messages/3388417
このようなエムスリーの態度(しかも担当者名乗ってないし)は、企業としていかがなものかと思います。
そもそも、掲示板の内容が持ち出し禁止になったのは、奈良県の妊婦がたらいまわしになった挙句頭蓋内出血で死亡した、という事件で、カルテが持ち出されて掲示板に書き込まれ
それが転載されてしまった、ということからです。
だれが何を書き込もうと何の管理もしていなかったという責任は棚に上げ、一方的に持ち出し禁止っておかしいと思います。
今回、わたしが引用したこの書き込みは別に何の害もないのではないでしょうか?
きつすぎる校則が敗訴しているように、医師用掲示板は今のところエムスリーしかない状況で、優越的地位を利用した嫌がらせのように感じています。
この件に関しては、当方の弁護士をccに入れて、エムスリーには連絡してありますので
みなさま、この件に関してもご注目ください。

結語と愚痴

皮肉にも岩田先生の著書 抗菌薬の使い方 Version2 から。

感染コントロールに必要なのは、正しい知識と情熱。

岩田先生、あなたいったいどうしちゃったんですか?????
あなたの本を買って勉強したわたしの人生返してーーー!!(笑) ←あの本ではすぐに飽き足らなくなり、いろんな本を読んだので大丈夫です。

もちろん、公共交通機関でダイヤモンドプリンセス号の乗客乗員を帰したことについて、さまざまな意見はあるでしょう。
しかし、世の中に絶対的に正しいことってないと思います。

それに。
個別に帰宅させることではなく、「接触感染を防止する」ことを徹底して指導したから帰すことが重要なわけです。
さっきから言っている通り、感度が低くて、ちょっとなかなかこれで陰性なら感染していないというお墨付きにはならないものなので。

だから。
大事なのは、接触感染を防止するための コンタクト・プリコーションを徹底することであり、過度に恐れたり
関係者をバイ菌のように扱ったりすることではないと思います。

 

どうですか?
みなさまも落ち着いて、パニックにならずに普段どおりの生活をしてくださいね。

幽霊の正体見たり枯れ尾花 って言うでしょ?
 
※コンタクトプリコーション
接触感染で伝播する感染症を制御するために行う。

患者や周辺環境に触れる時には手袋を着用する
患者や周辺環境に直接触れる可能性がある場合はガウンを着用する
個人防護用具は病室退室前に外し(外し方にもお作法あり)、手指消毒を行う(アルコール消毒)
個室への収容が望ましいが、同じ病原体の保菌者および感染症患者は、集団隔離(コホーティング)も可能
個室および集団隔離が難しい場合はベッド間距離を1m以上に保ち、カーテンなどによる障壁を設ける。
 
 
※ダイヤモンドプリンセス号から「最初から無症候者を下船させなかった」ことについて問題視する人たちがいますが。コンタクト・プリコーションの考え方からすると、船にいてもらって集団隔離して、発熱などの有症状者を速やかに下船させて治療する、ということは決して非難されるべきことではないと思います。
そもそも、大変検査精度が悪いのですから。陰性=感染していない ことを意味しませんので。
船のなかでスタッフが媒介することも容易に想定されるため、最初から全員を感染者と想定して集団隔離する、というのも十分ありだと思います。
公衆衛生の分野では、一般には考えつかない思考回路で、「最大多数の最大幸福」を実現する、ということにプライオリティを置きますので、なかなかご理解いただけないかもしれませんが、未曾有の事態が勃発した時、何が正解か不正解かなんて決められないので、誰かが決めて進むしかないんです。
そしてそのあと、問題点を抽出し、次に生かす。それがわれわれ医者が延々とやらねばならないことです。

※ 文化人放送局に出演させていただきました。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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