【偽善の帝王】上昌広 【偽善の王子】岩田健太郎:コロナウイルスをめぐる医師の報道とのかかわり方について

仲田洋美オフィシャルブログ for medical 仲田洋美の独り言 歌舞伎町の女王VS偽善の帝王

粘着質な書き込みをする人たちがいるので、このブログへのコメントをお断りさせていただきます。2月25日

昨今、コロナウイルスをめぐる報道が荒れていることに対するわたしの私見です。

なぜ述べる気になったのかというと
上さんがマスコミにでているのか、わたしのHPに上さん関係でたくさんの流入があるからです。
上さんにとっては、わたしは、はなはだ迷惑な女なのですよね、きっと。すみませんね。
 
わたしは、感染症専門医ではありませんが、感染コントロールドクターの資格はいただいております。(ですので上さんよりは知識はあると思います!!)
凝り性なので、それなりにお勉強をいたしました。
 
まず。
ダイヤモンド・プリンセス号の検疫体制ですが。
 
実は、報道が過熱する前に、検疫官から一人感染者が出た、その人はインタビューをして
インタビューシートの回収をする係の人だった、マスクと手袋だけをしていた
つまり、ゴーグルもキャップもガウンもなかった、という報道が出た段階で
 
いったいどのような体制でやっていたのか?について
質問する電話をいたしました。
 
最終的には横浜の検疫官たちを束ねる医師(Uさん)が電話に出てこう述べました。
 
1.このような事態の時どうするかというマニュアルはあるか?
 →ある。(但し、内容は確認していないので、適正かどうかは判断できません)
 
2.日常の感染制御トレーニングはどのように行っているか?
 →一年に一度開催している。(今回、現場に出す前に指導を行っていない)
 
3.船内の各個室間を移動する際にどのような形でおこなったのか?つまり、マスクや手袋をちゃんと部屋ごとに変えたのか?
 →マスクはつけっぱなしです。手袋は部屋から出るごとにエタノール消毒をさせて同じものを使用しました。コロナウイルスにはエタノールが有効なので、これでいいはずです。

 
わたしは驚いてこういいました。
それは、やってはいけないことです。プラスティックグローブにはマイクロポアと呼ばれる顕微鏡レベルの微細な穴があり、エタノール消毒で使いまわすと、劣化するのでかえって危険です。
そうではなくて、グローブは必ず履き替える、脱いだ手をエタノール消毒して新しいグローブをはく、が正しいです。
そのような体制では、検疫官が水平感染を助長したのではないかと言われても仕方がないですので、今後は正しい知識を身につけられてください。
 
わかりました、といって穏やかに電話を切りました。
 
そして、それはすぐに厚生労働省に報告しました。
 
日本医師会やアカデミア(全国の医学部医学科、日本医学会、日本内科学会、日本外科学会などといった医師たちの教育に携わる団体をこう呼びます)の中枢部では、わたしは非常に有名な人です。
嘘だと思うなら、ためしに日本医師会や医学会、全国医学部長病院長会議などに電話をして、仲田洋美をしっているか?と質問してください。
知らない、という人はモグリなくらい、わたしは中枢部では有名です。
ちなみに、このブログのトップのツーショット写真は、前日本医学会会長で、今でも日本医療安全調査機構などの理事長をたくさん勤めておられる医療の世界のスーパー要人、高久史麿先生が現役医学会会長だった時代に日本医師会館にある日本医学会会長室で撮影したものです。
 
でも。
わたしはマスコミを扇動したりしません。
 
マスコミを扇動しても何の解決にもならないからです。
わたしたちがしたいことは、「未来をよくすること」です。
もちろん、今の新型コロナ(COVID19)は可及的速やかに収束すべきだと思います。
 
なので。先ほどからお伝えしている通り、まずは感染制御の基本的な動作が全くできていなかったので
最初から失敗してたんです。
国民のみなさまには、非常に申し訳なく感じております。
 
原因としては、保健所の所長とか検疫担当の医師は、臨床したくなくて定時で終われて、日々が大体穏やかで
一人または複数いても少人数の医師と多勢の一般職という形ではたらいているため、祭り上げられて日頃は気持ちよく過ごせそう
なんて動機で行くのではと思います。
そうすると、やはり、病院でもまれていないので、感染制御なんて危機管理の陣頭指揮、それも今までなかった病原体のパンデミックを防止するなんて場面で旗を振る役割は難しかったのではと思います。
 
今回、岩田健太郎先生が、ダイヤモンドプリンセス号に行って追い出されて、youtubeやツイッターで発信して騒ぎになっています。
いや。彼は正しいですよ。本当に。正しいです。言っていることは。
 
でも、やり方はどうでしょうか?
今、彼が騒いで ゾーニングができていない カオスだ と言って何が得られるのでしょうか?
結局彼は2時間で追い出されてしまいましたよね。
 
じゃあ、彼はどうしてダイヤモンドプリンセス号で検疫しないといけない、という初動の段階で乗り込まなかったんでしょうか?
感染症学会は会員全員にダイヤモンドプリンセス号に行ってくれというメールをよこしていました。
わたしも行きたかったのですが、うちには妊婦さんたちがたくさん来られるので、わたしが感染することを考えるといけませんでしたが。
(同じ理由で、うちは保険診療をいたしておりません。保険診療したいのですが、保険診療するとインフルエンザなどの感染症の患者さんたちを診療しないといけなくなるので、妊婦さんたちが大勢来ることを考えると、やはり難しいという判断となります)
 
彼のような優れた専門家が、最初から乗り込んで陣頭指揮を執っていれば、早い段階で水平感染(隣の人に移すことをいいます)を防止できたのかもしれません。
 
*上昌広さんのお弟子の久住さん(ナビダスクリニック理事長)が、朝の座談会の番組で、素人のかたが、「垂直感染が起きている」というのを放置しているのを見て、わたしは卒倒しそうになり、テレビを切ってしまいましたが。垂直感染というのは母子感染、それも胎内で感染する、または産道感染することを言うので、ダイヤモンドプリンセス号では垂直感染は起こりえません。
 

ここに、ツイッターから拾った医師のコメントを載せておきます。岩田健太郎先生のフェイスブックでの応酬のようですが。
   

   


  

わたし、思うんですけど、上さんも岩田さんも 間違っている わけではないんですよ。
 
ただ、批判するんだったら、自分で汗をかけばいいんじゃないかと思います。
 
確かに、今回、厚生労働省の判断は遅くて悪くて、わたしが見ていてもどうかと思うものです。
ですが、現場の医系技官たちはいま、ほとんど駆り出されて不眠不休でやっています。
 
じゃあ、やればいいのか? という批判もあるでしょう。
物事は正しく取り組まないと良い結果は生まれません。
 
問題点は、こうした新規感染症が今まで少なくとも2回(新型インフルエンザ、SARS)あったなか、
危機管理をしないといけない、と思えなかったことでしょう。
 
それは今後の課題であって、今やらねばならないことは、厚生労働省を非難することではなく
収束するようにみなで努力することです。
 
岩田先生の言う通り、感染コントロールはみんなで一緒にやろうね、って言っているときに
一人異論を出すと、つまはじきにされる って本当ですよ。わたしも経験あります。
 
でも。やっぱ 言い方とか、本当にちゃんと把握してからものを言っているのか、とかあると思うんですよ。
 
わたしは結構いろんな提言をいろんなところにやっていますが、やる前にヒアリングや調査をすごく時間と労力をかけていたします。
 
ですので、中枢部の人たちが、わたしが言っていることに必ず耳を傾けてくれるので、事態が動く。
 
上さんも岩田さんも、正しいことを言いながら、思いが伝わらず、騒ぎだけ起こすので、中枢部は聞く耳がなくなってしまうんです。
とてももったいないことだと思います。
 
わたしが岩田健太郎さんと疎遠になったのは、5年位前かな、化学療法学会?のとき、岩田さんの著書を学術集会の書店ブースで取り扱わないように大会長(昭和大学の感染症教授)が圧力をかけた、ということで、本来、内部で処理すべきところを
岩田さんが新聞社に書かせたんですよね。
 
わたしは内科をこよなく愛しているので、感染症学会は一応会員でもあるし、何より日本内科学会を基幹学会とする分科会(わたしたちは2階と呼んでいます)なので。化学療法学会は感染症学会の関連学会でもあるし
化学療法学会は日本内科学会が所有する日本内科学会会館(日内会館)に入っていますし
わたしも化学療法学会にも入っているので
 
大変驚いて調査いたしました。
 
このとき、書店の名称をまず調べて、店主に話を聞き、岩田さんの本を扱うなら出店ささないという妨害を大会長がみずから行った事実は確認いたしました。
そこで、化学療法学会、感染症学会、内科学会にこれらの事実を報告し、まずはこうした不法行為に該当するのではないかという大会長の横暴を是正するよう申し入れました。
そして、文部科学省高等教育局医学教育課にこれらの事実を報告し、教授の質が悪すぎる、もっと一般教養、特に刑法学は教授たちにお勉強させたほうがいいのではないか
?パワハラが問題になっている昨今、大学外で教授がこんなことをしても、大学の外で行った行為だから何もいえない、というのはおかしいのではないか?
そもそも大学が教授にしたから、学会でのさばるのであって、のさばる原因を作った当事者(大学)が何も指導しないし責任もとらないというのはいかがなものか? (昭和大学にも電話しました)
 
とか。
たらたらたらたら文句を言いました。
 
ちなみに、このときは、文部科学省が化学療法学会に こんなの報道されてるんですがどうなってるんですか?大学の教授が強要とか犯罪行為をしていると受け止めたらいいのでしょうか? という問い合わせをしてくれました。
もちろん、お願いしたのは私です。(笑)
お問い合わせをしただけですから、別に何の問題もないと思います。
 
化学療法学会はすぐに事実関係を調査し、是正する、といいましたが、その後どうなったかは確認していません。
 
このとき、岩田さんは内科学会専門医部会のメーリングリストにもご自分の著書が扱われないことをたらたら書き込みました。
 
 
それに対して、わたしは 内輪のことはまず内輪でやってほしい と書きました。
 
それっきり、岩田さんにはフェイスブックもツイッターもブロックされています。(笑)
 
上さんも岩田さんも、本当にもったいないと思います。
 

厚生労働省には、こうした新規感染症に対する危機管理の在り方を是正していただきたいなと思います。
 
でも。
なにはともあれ、まずは皆様が一生懸命ダイヤモンドプリンセス号で 検体採取 という一番感染しやすい危険な業務に従事し、缶詰めになって働いている姿を見て(ダイヤモンドプリンセス号には行っていませんが、厚生労働省には時々行きます。今は行っても医系技官はほとんどいません。お医者さんですから。現場に出てるんです。だから、日頃いる人がいないという姿を見ています。)、本当に頭が下がります。
 
みなさん、普段から 一番ブラックは防衛相、次が厚生労働省 といわれながらすごくよく働いていて
コロナ対策で本当に大変ですが。
 
がんばってくださいね。
 
上さんも岩田さんも、みんながよくなるようにがんばりませんか?
 
和は乱してもいいんですよ。
わたしはいつも爆弾文書をつくって投げ込んでいます。
一切なんのソンタクも致しませんので。
投げ込む先は別に医師会とは限らず、専門医機構とその社員にどどーん!とか
医学会傘下の学会に全部どどーん!とか。
足元の内科学会にどかーん!とか。内容によりいろいろです。
 
でも。
和を乱しても別に嫌われてないですよ?
それに。和を乱すとも思われていないです。
だって、みんな よくしたい のだから。
対立軸ではないはずなんですよ。
よくしたい、と思う気持ちがあれば。
方法論が違うだけで。
それは医師会に対しても思っています。
 
今年も、医師会の幹部のみなさまにもバレンタインチョコをお持ちいたしましたが
丁寧なお礼のお手紙やお電話を頂戴いたしました。
日本医師会には、主に小言しか言っていないのですが。
それでもとても大事にしていただいております。(ということが最近わかりました)
 
「本当のことを臆さずいう」人材の貴重さはわかっているからです、皆さん。
 
しかも、わたしには「よくしたい」以上の動機を感じないので
みなさん、本当にすごーく耳を傾けてくれます。
厚生労働省も文部科学省もアカデミアも、そしていつも小言ばかり言われている日本医師会も。
 
立場の数だけ正しいことはあるんです。
物事は視点を変えると正しいことも変わる。
たとえば、人権は大切ですが、新興感染症の蔓延を防止するために居住の自由を制限するのはこれまた正しい。
人を殺してはいけない、のですが、刃物をもって襲ってきた相手を阻止しようとして殺してしまったという正当防衛は認められる。
 
立場の数だけ正義はあるのであり
正義と正義がぶつかっているときに必要なのは 調整 です。
 
そして、それができるのが 多様性を認める社会 であると私は思っています。
 
今回、岩田さんの行動も上さんの行動も、ある意味正しく、ある意味間違っていると思います。
 
特に、岩田さんは危機の最中に当事者の不安を助長したり、フロントラインで頑張っている人たちを
我こそは専門家だ、俺の言うことを聞け、と受け止められない態度で接したのだとしたら
つまみ出されて当然でしょう。
 
いや。彼はまだ、青いんですね。
 
高山さんが書いていますが、コンサルテーションするからには、「聞いてもらえ」なければ意味がありません。
聞いてもらえるようにするには、まず、「この人の言うことだったら信用できる」という信頼関係を構築しないといけません。
そこの努力をせずに、いきなり大所高所から ご指導 始めてしまったのなら、それはつまみ出されて当然でしょう。
 
なんせ、危機の現場なので 当然カオス ですから。
 

 
上さんや岩田さんがいろいろ言われるのは、和を乱すからではないと思います。
アジテートが目的のように見えるからじゃないですか?
 

※ 文化人放送局に出演させていただきました。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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