【専門医機構】専門医機構認定講習単位問題

みなさま、こんばんわ。

本日、日本専門医機構に苦言を呈ました。

先日、産婦人科関東連合の集会であの 岡田晴恵 さんが講師として招かれていたことなどを問題として提起しました。

内容は、PDFにして張り付けておきますが、わたしの書いた文章をここにコピペしておきます。

日本専門医機構認定講習のマネージメントに対する抗議4

 

本年1月にも苦言を呈したのですが、同じく日本産科婦人科学会が専門医機構(以下機構と表現)の共通講習としてどうなのかというものを提供していたので抗議いたします。

 

 

事実

  • 公益社団法人日本産科婦人科学会(以下日産婦と表現)は、第139回関東連合産科婦人科学会学術集会において3つの専門医機構認定講習を認めた。証拠として第139回関東連合産科婦人科学会学術集会を添付する。
  • 産婦人科領域講習 特別講演「 女性のトータルヘルスケアのためのLEP とHRT―心血管疾患のリスクの観点から―」
    共通講習(感染対策) 特別企画シンポジウム「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状と展望」
    産婦人科領域講習指導医講習会「産婦人科医の労働環境を改善させよう」
    の3つのプログラムを日産婦が関東連合に機構単位として認めたものである。

 

問題点

  • 産婦人科領域講習 特別講演「 女性のトータルヘルスケアのためのLEP とHRT―心血管疾患のリスクの観点から―」が日産婦のプログラムの何に対応しているのかが全く分からない。
  • 共通講習(感染対策) 特別企画シンポジウム「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状と展望」の講師に医療の資格を全く持たずワイドショーで科学的根拠のないことをしゃべり、医療界としては大変な迷惑を被っている岡田晴恵氏を招いている。
  • 産婦人科領域講習指導医講習会「産婦人科医の労働環境を改善させよう」については、「労働環境を改善させる」という講習会と「専門医としての生涯教育」という専門医機構がになっている役割から機構が行うべき認定講習との相関性が全く不明である。

考察と要望

  • 基幹学会がその関連団体に勝手に機構講習を委任すると、質が担保できないし、この講演会が産科婦人科学会のプログラムと関係性があったのかどうかすらわからない。基幹学会がそのアカデミアとしての資質を生かして当該基本的領域の講習会を行うのであるが、どのような内容でも機構単位を付与するのであれば、専門医機構の存在意義が没却されるのみとなる。
    これを改善するには、プログラム委員会や認定更新委員会で当該基幹学会が機構単位を付与する団体が行う講習会が①当該基本的領域の学会のモデルプログラムのどの項目と一致しているのか、また、当日配布される資料等を機構単位を付与するのに相当なのかについてチェックする仕組みを作る、②機構で認められたサブスペシャルティ学会学会のみが基本的領域の領域講習を行うことができる、等のシステムを構築すべきである。日産婦には半年前に苦言を呈したが、改善されておらず、特に岡田晴恵氏についてはおそらく日産婦会員からもツイッターで文句が出ていて、ウェブ開催なので質疑応答もできないと苦情を目にした。このような基幹学会に領域講習と言えど無尽蔵に権限を付与するべきでない。これは日産婦の単位ではなく機構単位なのであるから。
  • 同じく、産婦人科医の労働環境を改善するという講習会で、なぜ機構単位が付与されるのかが不明である。機構の存在意義は医師のスキルの生涯教育であり、労働問題の改善は医師のスキルではない。こうした領域別講習が認められていること自体に大変驚くばかりである。もはや『アカデミアは性善である』という説にたつのは厳しいのではないか。領域別講習も機構でしっかりと管理すべきである。
  • 尚、領域別講習を機構でしっかりと管理すべきということで増える機構の事務作業については、各基本領域学会がだらしないためであるので、学会からの金銭的負担を増加して対応するのが当然と言える。
  • 産科婦人科学会の落ち度に巻き込まれて金銭的負担が増えることに対する他の基幹学会たちとして、悔しい思いであろうことは想像に難くないため、学会の事務作業がどのように行われているのかというサイトビジットを学会同士ですることにより、学会自体のクオリティーを上げることを提言する次第である。
  • 日産婦の専門研修プログラムに「医師としての倫理性、社会性など」という項目を発見したが、日産婦は6月某日、日本医師会に「NIPTの件で日本人類遺伝学会ならびに日本小児科学会と合意した」と報告した。しかし、日本人類遺伝学会は日産婦から送られた文書に異論を述べて返却したまでであり、何ら合意に至っていない。「何をどのように合意したのか」も全く述べずに「合意した」とだけ述べ、新聞社に取材させて書かせ、あたかもそのようになるのが当然という誤解を世間に与えるものであり、卑劣と言わざるを得ない。自分たちのことは自分たちで何をしても許されるのだ、という考えであるため、機構単位も「労働環境の改善」で認めてしまうのだと推認する。各基本的領域並びに厚生労働省に置かれては、日本の専門医制度、いや、医療そのものが行政のガバナンスのもとにあることを今一度各基本的領域学会関係者がしっかり理解できるように支援することを望む。毎度毎度、わたくしが認定講習の件で文句を言わねばならないのがなぜ日産婦なのか、原因はどこにあるのかについて、そろそろまじめに研究すべし。さもなくば外科系は徒弟制度なので日本の産科婦人科診療の未来は大きく損なわれるであろう。産科の問題は全体の問題である。医師会長に事実でない報告を行う団体など聞いたことがない。合意したなら合意した文書をもっていかねば合意したことが確認できない。結婚というプライベートなことであればいちいち婚姻届けや住民票を見せろということはないが、通常、3つの学会が合意した内容を一つの団体が報告に行くのであれば正式には委任状があったり3者で合意した文書を持っていくのが社会通念である。医師である前にこうした社会通念の教育もしなければならないのではないか。
    ともかく、いろいろな問題があるようなので、この際、学会運営の透明化を全体として担保するためにもサイトビジットや学会自体の教育をも専門医機構がすべきである。さもなくば常に機構が「どうしてこれに単位を付けたんだ」と非難され続けることとなる。こうしたことをシステマティックに防止する仕組みを早急に構築すべきである。以上

 

 

 

 

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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