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楽天以外もSARS-CoV-2のPCR検査キットを販売するところが出てきました
こちらは抗体検査のようですね.
www.ambrosia-kk.com/product/covid-19-igm-igg%e6%8a%97%e4%bd%93%e6%a4%9c%e6%9f%bb/
COVID-19 IgM/IgG抗体検査
COVID-19に対するIgMおよびIgG抗体を調べる検査です。抗原であるCOVID-19が体に侵入すると、数日でIgM抗体が産生され、その後、かなり時間が経ってからIgGが産生され、終息に向かうと言われています。IgM抗体が陽性の場合には、感染が現在生じている可能性を示し、IgG抗体が陽性の場合には、すでに免疫が成立している、または、回復期にある可能性を示しています。IgM抗体とIgG抗体が共に陽性の場合には、過渡期にある可能性を示しています。(この解説は、本製品の品質、性能等を保証するものではありません。)
これは違法ではないのか?
これについては
/covid-19/rakuten-sales-kits-for-sars-cov-2/
で詳細に解説してありますのでご覧ください.
Direct to Consumer(DTC)遺伝子検査に対する規制
ゲノムタスクフォース
この検査は抗体検査ですので,遺伝子検査ではないのですが,同じDTCということで一括りにしてしまいます.
日本では,DTC遺伝子検査を規制するかどうか,ゲノムタスクフォースが行われました.
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kousei_311652.html
本来,ゲノムタスクフォースは,消費者向け(DTC)遺伝子検査ビジネスに対する規制の必要性を話し合ったのですが
経産省の反対が強く,実現しませんでした.
それでも,業界団体の自主基準が策定されていて
aogi.jp/wp-content/uploads/2020/03/AGI_%E8%87%AA%E4%B8%BB%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%94%B9%E5%AE%9A%E7%89%88_ver10.pdf
こちらにあります.
事業者が消費者に提供する体質遺伝子検査の主たる目的は、「体質や健康・栄養面でのサポート」であり、「健康サービス」や「美容サービス」に関わることが前提で、医療行為である「診断」であってはならない。例えば、各種遺伝子検査に基づくアドバイスなどのサービスを提供する場合に、消費者への結果報告に際しては、「体質」「リスク」「傾向」等の文言を用い、「遺伝子診断」など、医療行為を連想させる文言を使用してはならない。
一般社団法人遺伝情報取扱協会
ちなみに
www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/151117_tf1_s1_1.pdf
特定非営利活動法人個人遺伝情報取扱協議会理事長としてここに委員として出ている別所さんはヤフーのお方ですが.
別所さんご自身は,あちこちで 個人情報なんて保護しなくていいんだ と言っているそうです.
ちなみに,このNPOはタスクフォースにやはり一般社団法人日本衛生検査所協会(日衛協)遺伝子検査受託倫理審査委員会 副委員長(株式会社エスアールエル)として委員で入っている堤 正好さんが理事長をしていたのですが,クーデター?により,堤さんは理事長から外されてしまいました.
この団体そのものは,DTC遺伝子検査の会社たちにちゃんと基礎知識を持たせるとか
おふるまいをやんわりと規制するということから,日衛協が入って指導的立場にあったのですが
それをクーデター的に追い出したのですから,われわれ,遺伝の業界は大変驚いておりました.
さらに.ヤフーはもともとIT健保に入っていたのですが,2年くらい前に独立して自前の健保を作りました.
IT健保に,個人情報を切り離したビッグデータとしてデータをよこせ,という無理難題を吹っかけていたそうです.
要するに,ヤフーは売り上げが上がらないので孫さんからヤイノヤイノと言われていたらしくて
ビッグデータを売る,ということを目指していて.
個人情報と切り離したデータはもはやただのデータである,ということで
自前の健保を作り,従業員はデータとして売られることを前提に入るように聞いています.
これは伝聞なのでヤフーにご確認ください.
まあでも,別所さんが 個人情報なんて保護しなくていいんだ という極論を言っていたのは複数の筋から聞いています.
さて.
特定非営利活動法人個人遺伝情報取扱協議会は,その後,一般社団法人遺伝情報取扱協会になりました.
aogi.jp/
発起人を見てください.
ヤフー株式会社
ジェネシスヘルスケア株式会社
株式会社DeNAライフサイエンス
三木谷さんが出資して,SARS-CoV-2のPCRやるといっているジェネシスヘルスケアが入っていますね!
海外の状況を見ましょう.
アメリカ
2013年11月22日,アメリカ食品医薬品局(FDA)は,遺伝子検査キットを販売する「23andMe」に対して遺伝子検査キットの販売を停止するよう命令を下しました.
2013 _ 23andMe, IncFDAがDTC遺伝子検査禁止
FDA Tells Google-Backed 23andMe to Halt DNA Test Service – Bloomberg
www.bloomberg.com/news/2013-11-25/fda-tells-google-backed-23andme-to-halt-dna-test-service.html
23andMeは,Googleの共同創業者セルゲイ・ブリン氏の妻であるアン・ウォジスキ氏が共同創設者で,Googleによる出資を受けて2006年に創業しました.
遺伝子情報を分析することで、難病など特定の疾病の発症リスクを早期に発見できるサービス「Personal Genome Service(PGS)」を提供していました.
利用者宅に遺伝子検査キットを送付し,利用者が唾液を採取してキットを返送すると検査を実施して完了後にメールで通知し,利用者が網ページににログインし結果を確認する方式で費用は200ドルでした.
利用者の遺伝情報はデータベースに記録され,研究に利用されます.
その後,23andMeは多数のユーザーの遺伝子を検査することから得られた大量のDNAデータ(ビッグデータ)を解析し,新薬の開発に役立てるビジネスへと事業転換しました.
このため,米国の製薬大手ファイザーや,ヒト型インシュリンを開発したことで有名なジェネンテックなどと提携し,自社のDTC事業から得られた大量のDNAデータと,その解析サービスを有料で提供するビジネスを開始した.
2015年には,23andMe自体が新薬の研究開発に乗り出しています.
一方,FDAとも粘り強く交渉を続けた結果,2015年10月には,2013年に禁止された疾患リスク関連の遺伝子検査でも「嚢胞性線維症や鎌状赤血球貧血など,特定の遺伝性疾患を引き起こす遺伝子を保有している」という情報に限って,提供することが許可されました.
2017年4月.
23andMeはパーキンソン病,アルツハイマー病,第Ⅳ因子欠乏症(血友病B),セリアック病など10種類に渡る病気の発症リスクに関する情報提供をFDAから許可されました.
www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/reviews/DEN160026.pdf
2018年3月には,遺伝性乳がん卵巣癌の原因遺伝子であるBRCA1/2遺伝子に関するリスク情報の提供も許可されました.
www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-authorizes-special-controls-direct-consumer-test-reports-three-mutations-brca-breast-cancer
これらが許可された理由は,過去に指摘されたDTCの問題点,つまり「遺伝子検査の精度に関する問題」や「ユーザーが検査結果を誤って解釈する」などのリスクが解消されたことが,FDAにより確かめられたことにあります.
23andMeは2013年11月に禁止された医療・健康情報を提供する遺伝子検査サービスを,製品の改良やカスタマー・サポートの改善など自助努力,そしてFDAとの粘り強い交渉によって,少しずつ復活させていったのです.
ちなみに,23andMeはこうしたFDAに認可された遺伝子検査を提供するにあたり
www.23andme.com/howitworks/
ここにあるとおり,CLEA認証を受けています.
日本においてDirect to Consumer(DTC)検査に対する規制がなくていいのか?
この点に関して,今回,楽天その他の会社がSARS-CoV-2関連検査で社会を混乱させて
国民の皆さんが規制の必要性を感じているのではないでしょうか?
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いかがでしたか?
みなさま,ご自分たちに関係あることですので真剣に考えてくださいね.
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