おまけ:医者に殺されない47の心得(近藤誠)⑤血糖値は薬で下げても無意味で副作用がひどい

昨日,ブログを書いたら,ご質問を頂きました.

「これって 何が言いたいの?インシュリンは意味のない行為?」

 

わたしは,インスリンは意味のない治療であるという受け止め方をされるようなことは書いていないと思います.

しかし,1つ,スタディを追加しておきます.

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20110121

 

イギリスで,50歳以上,平均罹病期間4.5年の約48000人の1996年から2008年のデーターを解析した研究結果です.
経口剤単独27965人,インスリン治療20005人.
全死亡率のhazard ratio (HR) は,経口剤単独インスリン治療ともにHbA1C7.5%を底とするU字カーブを描くことがわかりました.要するに,最も死亡率の低いHbA1cは7.5%
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A:経口血糖降下薬使用患者,B:インスリン使用患者です

両群を合わせると,HbA1C6.4%群はHbA1C7.5%に比べHR1.52となります.

この図から判ることとして, metforminとSU剤の経口血糖降下薬による治療ではHbA1c 7.0~9.0%の間でほとんどHRは変わらないのですが,

insulin群では,HRが低いのは7.5~8.0%の大変狭い範囲に限られる,ということです.

この研究の結果からは,経口血糖降下薬で治療を行う場合にはHbA1c 7.0~9.0%に,insulin治療を行う場合にはHbA1c 7.5~8.0%にコントロールすべき

ということになります.

 

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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