- 2015/09/21
近藤誠先生の,がん放置療法について.
わたしなりに思いを述べてみたいと思います.
まずは,がんもどき,という概念ですが,がんは最初から転移するかどうかが決定していて転移しないのががんもどき,転移するのががん,ということについてですが.
いっぱんに,腫瘍であっても生命予後を脅かさないものを良性腫瘍,そうでないものを悪性腫瘍と分けています.
しかし,良性であっても転移して生命を脅かすものもあります.
この,がんもどきという理論そのものは正しくありません.
癌細胞が出来て,遺伝子変異を重ねて転移能力を獲得するのです.
原発巣と転移巣では,遺伝子の発現が違う,変異している,ということが報告されています.
これが転移能力の獲得や,抗腫瘍薬にたいする治療抵抗性の獲得につながるのです.
でも.近藤先生のおっしゃっていることで,わたしとして賛成できないのは
がんもどき,という概念だけであり,あとは反対する理由は特にありません.
治療を受ける受けない,積極的治療を何もせず自然経過で緩和ケアだけ受ける,というのも十分選択肢の一つですし,近藤先生の本を見てそれを選んだからと言って,患者さんたちや近藤先生を責めるのは,理にかなっていないとわたしは思います.
何事も,きちんと情報を提示されて,その上で自己決定する.
ご自分の人生なのだから,一番大切なのはご本人の思いだと私は思っています.
がん薬物療法専門医のくせに何を言うんだ,と怒られるかもしれませんが...
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