雑感:岐阜、医療ミス:69歳死亡 中津川市民病院、患者遺族と2200万円和解

わたし,意外に麻酔科標榜医を持っているんです.

そのトレーニング中に,経験あります.
よその病院から冠動脈造影中に心タンポナーデになって運ばれてきた症例の開胸術.

カテ先がウェッジしてるのを見落として造影してしまい,冠動脈乖離,急性心筋梗塞を惹起する,
というパターンが多そうですかね...
ちなみに,ウエッジとはくさび(楔)を意味し,カテーテルが血管にすっぽりはまる状態をいいます.
冠動脈が元々細い,狭窄病変が入り口近くにある,などでは
カテーテルを冠動脈入り口に挿入した際にウェッジしてしまう場合があるのです.
このようなとき,ノコギリ刃のような形が通常の圧波形がはっきりしない波のような形に変わるのです.
冠動脈にカテーテルがウェッジ(ぶすっとささる)すると血流が途絶えてしまうということになるので
速やかに移動させる必要があるのです...

いずれにせよ,公表しただけ良心的ですし,和解なんてすごすぎる...

そういえば.
T県M市は,人口そんなに多くないのに,心カテ件数日本で一位,二位の病院があります.
なんでそんなに件数多いのでしょうか?

件数の多すぎる病院で検査するの,わたしは嫌ですね...

そういえば.友達(医師)のお父さんが,O県K市の心カテで有名な病院に,
胸痛を訴えて受診したら,いきなり心電図もとらず何も検査せず

心カテを外来でやったそうです.
大変怒っていました.

本当に必要な検査は何件あるのでしょうか?
やっぱいやですね~.

ちなみに,わたしが麻酔をかけた心タンポの症例は,なかなかありえないことに,
ワイヤー穿通でした.....((((;゚Д゚)))))))

それでもまったく公表もされませんでした....

この病院,本当に良心的ですね.

 

 

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岐阜、医療ミス:69歳死亡 中津川市民病院、患者遺族と2200万円和解 /

2015年11月27日 (金)配信毎日新聞社

医療ミス:69歳死亡 中津川市民病院、患者遺族と2200万円和解 /岐阜

 中津川市民病院(中津川市駒場)は26日、心臓カテーテル治療でミスがあり、今年1月に県内の女性患者(当時69歳)が心破裂を起こして死亡したと発表した。遺族に対し、2200万円の損賠賠償金を支払うことで和解したという。

 同病院によると、この女性は他の病院で冠動脈狭窄(きょうさく)の診断を受けて中津川市民病院に入院。今年1月13日、内科の男性医師(48)が、心臓に細長い管を挿入して心臓の状態を調べる心臓カテーテル治療をしたところ、女性は冠動脈解離となり心破裂を起こした。愛知県内の病院に搬送して開胸による止血術を施したが、消化管からの大量出血により同17日に死亡した。

 市民病院側は内部の事故調査会を経て「治療管理に注意義務違反があった」と過失を認め、今月25日に遺族と和解した。

 病院で記者会見した安藤秀男病院長は「当院による医療ミスであり、深くおわびします」と謝罪。同病院には心臓血管外科の常勤医師がおらず、事故防止対策として、心臓カテーテル治療の際には他院の心臓血管外科医師による援助を受ける基準を作成するという。【小林哲夫】

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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