【医療を斬る】選択5月号のある記事について【COI】

ちょっと残念な選択の5月号の記事を文字にします。
研究不正の東大教授が学会理事に 今も多額の製薬マネーを受け取る異常
京都市で四月に開かれた日本内科学会の総会で、ノバルティスファーマの臨床研究不正でいわくつきの小室一成・東京大学循環器内科教授が異論を封じて理事の一人に選出され、癒着にまみれた同学会の体質を改めて露呈した。
小室氏は2012年に発覚したノバルティスファーマの臨床研究不正で、千葉大学の責任者だった。不正が発覚し京都府医科大学、東京慈恵医科大学などでは責任者が引責辞任。だが小室氏は東大教授へと栄転し、16年度には製薬企業主催の講演会で50回壇上に立ち、920万円を受け取った。
引責した京都府立医大の教授が16年度に製薬企業から受け取った金は3万円で、慈恵医大の責任者に至ってはゼロ。小室氏だけが生き残った。日本内科学会の幹部は19人の理事と3人の監事で構成され、16年度に製薬企業から受領した金額の平均は一人当たり559万円。門脇孝理事長に至っては、67回講演して1153万円を受け取っていた。癒着は、一切改善されていない。
これが記事の内容です。。。。。。
うーん。。。。。門脇先生は、選択にはよく書かれてますねえ。。。。
ま。選択は、かみさま系なので。
異論を述べたわたしのことについては何も触れず。(笑)

触れたくないってことですよね?かみさまも、文句あるならちゃんと総会に来て内部で改革できるように声をあげたらいいことなのに。正攻法はお嫌いみたいですね。
ま。しばらくは内科学会にとって暗黒時代が続くということかな。
アメリカの専門医を養成する38学会を束ねるCMSSの企業との関係性に関する規定です。
1.4. No Key Society Leader, defined for purposes of this Code as the Presidential-level officers of a Society’s membership organization (e.g., the President, President-Elect, and Immediate Past President as applicable), the chief executive officer of a Society’s 
membership organization, and the Editor(s)-in-Chief of Society Journal(s), may have Direct Financial Relationships with Companies during his or her term of service. 
Annotation: Each Society may set a reasonable period after election or appointment for Key Society Leaders to terminate any Direct Financial Relationships. A Society may permit Key Society Leaders who are elected or appointed prior to the time the Society signs on to the Code to maintain existing Direct Financial Relationships with Companies for the duration of their terms. These relationships should be disclosed and managed in accordance with Principles 2.3 and 2.4. 
なので。
アメリカでは、門脇先生が糖尿病学会理事長をすることも、ましてや内科学会理事長をすることもできません。
小室先生が循環器病学会理事長になることも、内科学会理事になることもできません。
実は。
わたしがこのあたりに詳しくなったのは、COI(利益相反)が問題だったので2013年に乳癌学会を訴えて
海外のCOIマネージメントを調べていたからです。
診療ガイドラインとCOIマネージメント。
日本はどのガイドラインもアメリカのガイドラインに適合しないお粗末なものでした。
その当時、曽根先生が医学会の利益相反マネージメントガイドラインを出し。
もうサンシャイン法で10ドルが管理されている時代に
いったいなんて時代遅れのガイドラインを作るんだ、と噛みついたら
日本はアメリカに20年遅れてていいんだ、と言ったので
根拠を出せ(*`Д´)ノ!!! 
本気でそう思ってやってるならそれを公言するべきだっ。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。 
と噛みついたわけです(笑)アメリカでは医師一人一人が製薬会社に限らず検査会社などの医療関係の企業からもらった金額は、メディケアという国民保険に匹敵する組織のHPに登録される。登録漏れは罰則があります。本人も登録しないといけないし、わたした企業側も登録しないといけない。
日本でも透明性ガイドラインを作っていますが。75の製薬企業のそれぞれのHPにひっそりと掲載されていて、探すも大変、ダウンロードができないところも多いです。
むかし、誰かがもらってる金額を調べようとしてめんどくさくて断念したくらいです。

なので。この選択の記者はえらい!!

ま。曽根先生にも直接絡んだ通り
要するに、昔からおかしいと思ったことにはがぶっと噛みついていて
今回、内科学会総会ではじめて暴れたわけでもなんでもなく

内科学会総会では基本的に毎年物申していて、毎年の風物詩なんですけどねえ。。。。
今年はちょっとディオバン小室先生問題をぶち上げたので関心が高くて
エムスリーにスレが立ってしまいましたが。。。。
まあ。
もはやCOIマネージメントは喫緊の課題ですな。
わたしは昔からずっとそう言っています。
これを国際標準化しないと、研究不正の国際標準化もできない。
ずるずるずるずる癒着したおっさんたちが、
何を言ってもオソレイリタテマツリソウロウと穏やかに述べて
暖簾に腕押し豆腐にかすがい糠に釘馬耳東風、
何を言っても無駄だと相手が反論するのも嫌になるのを待ち、学内政治を勝ち抜いて
学外に出て行って妖怪じじいに昇格して闊歩する。
それが日本の医学の世界の現実。
さて。
ドロナワならぬ、泥棒が自分を縄で縛れるのか的なおじさんたちに、
この厳しい国際標準を受け入れることが可能かな?
受け入れられなければ、我が国は 男はちょんまげをゆい、珍しい生き物がいる、
チョンマゲ~~???? とガラパゴス化して観光立国するしか生き残る道はない。資源がない、技術も最近では中小企業がバブル崩壊、リーマンショックの後、東南アジアに技術移転してしまって日本の優れた職人芸なんて死滅しつつある。
材料工学もだめになってきたというニュースがありましたね。
蓮舫が 2位じゃダメなんですか と強面で言ったけど、2位じゃダメなんですよ。。。
研究開発なんて一朝一夕ではできないのだから。
しっかりと戦略をもって取り組むべきなのに。。。。
日本はそういう戦略がない国家なんですよね。。。。
ちなみにアメリカは日本がバブルに浮かれてトヨタ方式を輸出して
次は世界一、といってた時期に
耐え忍んでシリコンバレーを育成し、それがだめになったときのために
創薬=ゲノム に着手した。

長期戦略がちゃんとあったんです。それが明暗を分けた。。。。

わたくしとしては日本医学会にCMSSの機能を求めます。

今からでもちゃんとCOIマネージメントをやらないと、日本の研究の信用が失墜しているため、論文をアクセプトしていただけないようになっていってしまう。。。

医学はそれを支える周辺の学問がたくさんあるため、医学がしっかりしないと
その国の研究は凋落する一方です。

 
CMSSのこの規定に違反すると、専門医をはく奪される、などの厳しいお沙汰があり、専門医がないと
保険会社が契約してくれないアメリカでは死活問題なので、大変拘束力がある規定になっています。
プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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