【内科一般診療】引きこもり官僚の職場復帰

みなさま、こんにちわ。

実は。

2年以上かけて、引きこもりで病院受診もままならなかった某省の官僚の方の

職場復帰にむけた治療をしてました。

初めての経験ですが。

患者さんは、どこの病院に行ってもうまくいかなくて。

一番ひどかったのは、S区にある某大学病院の総合診療部で、いきなり何の説明もせず

話も聞かず、抗うつ薬を出して、トラブルになりました。

それっきりどこも受診せず、引きこもりになってしまいました。

実は。

そのかたがわたしを見つけたのはフェイスブックです。

今はそうではありませんが、一時期、まったく知らない人と無防備にフェイスブックフレンドになっていた時期があって。

そんな時期に、わたしのフェイスブックフレンドになり。

受診したいとフェイスブックで連絡してきました。

A省は、仕事に復帰させたい、と言っていて。

わたしは、どちらかというと精神科領域だと思うので、わたしは専門家ではないので不向きであると言いました。

しかし。A省の人事課の担当者は今までどの医師ともうまくいかなかったのを見てきているので

なんとか診療を続けてほしいと言いました。

悩みながら、お引き受けすることにしました。

引きこもりなので、出向いて行って診療。

私以外の人とはメールでしかコミュニケーションを取らなかったということなので

段々にうちの職員やA省の人と電話でコミュニケーションをさせることをはじめ。

外出する、電車に乗る、電車に乗れる距離を長くする、図書館に通って半日以上座る、など

復帰に向けてトレーニングしてきました。

この間、あれをしてはいけない、とかいう禁止は一切致しませんでした。

自分で考えて行動できないと、わたしがずっと張り付いて指示することはできませんので。

2年半が経過し、職場復帰を果たしつつあります。

A省の担当者から、『仲田先生のささえがあってここまでたどり着けました』と
お礼のメールをいただいて。

とっても感動しています。

ずっと一直線によくなったわけではなく、紆余曲折あったので。

 

専門家のところに行ってもらいたいなという気持ちはあったのですが

その方がかかれる医師が私しかいなかったので。

わたしが頑張らないでどうするのだ、と思い頑張りました。

結果が良かったので良かったのですが。。。。

振り返ると複雑な思いです。

頑張ってね。

あなたの人生はあなたにしか歩けません。

 

人を支援するということは

その人が自分の力で自分の人生を歩めるようにすることである、という教育を私は受けています。

でも。マニュアルなんてない。

自分に何ができるのか、いつも迷いながら試行錯誤です。

2年半お付き合いくださったA省人事課のみなさま、ありがとうございました (^_^ゞ

 

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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