【歌舞伎町の女王】仲田洋美vs【偽善の帝王】上昌広【⑨-1ニボルマブ問題対決】

みなさま,こんばんわ.

楽しみにしてくださっているのに,なかなか更新できなくてすみません.

現在,診療の合間を縫って,マフラー編んでるんですよね~.なので超超多忙で.

20年以上ぶりに手編みしています.

昔はわたしも,こうして編み物するかわいい(?)奥さんだったのですが,どうしてこうなってしまったのかな~?(笑)

さて.上昌広さんは,現場からの医療改革を掲げていますが,彼ができることと私ができることの違いをご披露いたしましょう.

ニボルマブ(オプジーボ)問題.

彼のアプローチはネットにあります.
ironna.jp/article/4081

下のほうにコピペしておきます.

わたしは,オプジーボ問題で小野薬品ともめました.
そして,臨床腫瘍学会と内科学会双方の専門医で,かつ内科学会の専門医部会の最も舌鋒鋭い専門医として有名な意外なトップアイドル
一の姫として,内科学会に意見書を提出いたしました.

影響力は半端ないわたしのやり方をご覧ください.
上昌広先生なんて,何ができるんでしょうか?
そもそも,彼は専門医制度を批判していますが,専門医というのはその学会が求めるクオリティーをみたしているという品質保証.
基準に達していない人が何を言ってものれんに腕おし,糠に釘,豆腐にかすがい,馬耳東風,馬の耳に念仏,カエルの面に小便.
いったい何言ってんだか?となりますが
専門医が発信すると,普通は響きます.
ところが,日本臨床腫瘍学会さまは普通の学会ではなかったので,普通でないぶりが大事な時期に明らかになり
おふるまいの悪さが大変際立つこととなりました.

わたしが内科学会に出した意見書をネットに出しましょう.

長いので2回に分けて出しますね.リンク先には資料も全部あります.
本文だけこちらにコピペします.

 

hiromi-nakata-official.com/wp-content/uploads/2016/12/460af2bc7d7539cd18346a2d8649a70f.pdf

意見書

 

日本内科学会御中

 

 

 

 現在,日本内科学会においては新専門医制度におけるサブスペシャルティーの在り方として,現行の13学会という枠組みを変更するかどうかについて検討をしています.

 わたくしは,がんプロ大学院入学時より,内科学会に対して腫瘍内科をサブスペシャルティーと認めてほしいと何度も懇願してまいりました.

 しかし,サブスペとして腫瘍を認めるということは,日本臨床腫瘍学会が内科学会の2階として認められるということにほかなりません.

しかし,わたくしは同時に現在までの間に再三にわたり同学会に対して,同学会専門医として組織運営の不透明さを改善するよう申し入れも行ってまいり,そのたびに内科学会にも情報共有してまいりました.

今回,ニボルマブの諸問題を契機に同学会の組織運営並びに専門医に対する不当な処遇とその改善を求めたのに対して理事長の独断で対応しないと決定したこと等を受け,日本内科学会の専門医として臨床腫瘍学会を当会の2階としてふさわしくない旨を進言いたします.

9年にわたり,国策事業がんプロの1期生として腫瘍内科をサブスペシャルティーとして認めてほしいと内科学会に対して懇願してきたわたくしが,このようなことを進言すること自体,苦渋の選択であるのですが,医療においては公平性透明性公益性の担保をもって公衆衛生に資することが最優先されるのであり,この観点より日本臨床腫瘍学会が組織改革を経ないで歴史と伝統と格式を誇る内科学会の2階になること自体が言語道断という判断を致した次第です.

長年にわたり,真摯に2階にしてほしいと要望してきたわたくしの報告をぜひともご覧いただき,皆々様でご判断をくださいますよう,伏してお願い申し上げます.

 

 

平成28年12月2日

日本内科学会 総合内科専門医 第7900号

日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号

臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

香川大学医学系研究科がんプロフェッショナル養成プラン1期生

新宿ミネルバクリニック開設者

仲田洋美 

 

1.2015年度の臨床腫瘍学会のBest of ASCOにおいて,専門医受験のためのセミナーが開催され,名古屋大学安藤雄一教授が登壇し,専門医試験の過去問を用いて講演した.この際,臨床腫瘍学会においては,専門医試験の過去問は持ち出し禁止であり,誰の許可を得てこのようなセミナーを開催したのかと質問したところ,以下のような回答を得た.

①昨年も行っている

②理事会で承認を受けている

③ゆえに問題ない

 しかし,臨床腫瘍学会の専門医試験は広範な範囲からどのような問題が出るかわからず,対策出来ないため,がんプロ大学院出身と言えど,必死で勉強して受験する必要があったのであるが,過去問の『Best of ASCOに参加した人』という定員のある特定集団に対する公開ということは,同会の専門医試験のルールを甚だしく逸脱しており,公開するなら広く一般に例えば書籍にするという形で買い求めることが可能なようにすべきである.

 しかるに,安藤氏は理事会で決議を経ていたら正しい,という議論を繰り返した.複数の賛同を得たら正しいのかについては,集団心理というキーワードを考えてみれば,決してそうではないということは,数々の歴史や社会的に大きな事件の事実から証明されているはずである.

 臨床腫瘍学会においては透明性を欠く運営がなされているということは,後述するが,理事会においても自由に意見交換できる環境でないということが十分推測される.

   いずれにせよ,専門医制度は公益性の高いものであるから,その運用は厳格に守るべきであるが,臨床腫瘍学会においてはそのような社会通念もないようであり,由々しき問題であるため,同学会に,いつの理事会でどのような議論を経てBest of ASCOにおけるセミナーでの公開が決議されたのかについて議事録の開示をするよう求めたが,一切応じられていない.

 誤った対応をしたのであれば,是正すればよいだけのことであるが,会員からの質問に返答もしない,という非民主的運営をするのが同学会であるならば,公益性の高い専門医養成を担う学会としての資質を問われて当然である.

 そもそも,安藤氏の当日の返答の①②いずれも③に結びつくものではない.安藤氏は同会の監事の一人であることは申し述べておく.

 

2.ニボルマブは別添資料1の通り,小野薬品が流通制限をしている.施設要件に当該施設でCT画像検査を直ちに実施できる施設という要件があり,当院はそれをみたしていないため,小野薬品が薬品卸会社に対するロックを解除しないという旨の通告を頂いた.
 しかし,その趣旨は,当該薬剤の添付文書(別添資料2)にある通り,『間質性肺炎で死亡に至った症例があるため,その初期症状の確認および胸部X線検査の実施等,観察を十分に行う』ということであり,ここから直ちに『同一施設内でCTを直ちに実施できる施設』という要件の設定に結びつくのかについて,はなはだ疑問であり,小野薬品に問い合わせをし,以下に述べる患者背景を申し述べたうえで,当方はがん薬物療法専門医であり,即刻ロックを解除してほしいとお願いした.

【患者背景】80代男性.5年前から肺がんで都内地域がん診療連携拠点病院に受療していた.1年半前,息子が問い合わせをするまでがんだという説明もなかった.殺細胞薬による治療は拒否してニボルマブを希望したが,当時は肺癌に対する保険収載はされていなかった.肺癌に対する保険収載がなされたのちも,ニボルマブを使用してもらえなかったし,その理由についても説明してもらえなかった.本年夏,胸水が貯留して入院したところ,何も治療はないので在宅診療にするよう紹介状を書かれた.書かれてあった近医に相談したところ,がんは診療できないとのことだったため,インターネットで在宅診療している専門医を探して当院に.ニボルマブの有害事象や肺癌については奏効率が悪性黒色腫のように高くないことをお伝えしたものの,「5年前からわかっていたのに,3年半告知すらされず,一度も治療を受けられないまま死ぬのは辛い.一度でいいから治療してほしいんです.」と本人と第一子が表明したため,「使用できるかどうかCTを撮りに行って,その間に小野薬品に当院のロックを解除してくれるかどうか聞いてみましょう.」と返答した.その後,小野薬品が9月15日に当院のロックを解除しない旨を別添資料3の同社法務部門に対する弁護士の意見書を提示し伝えてきたため,その旨を包み隠さず説明し,施設基準を満たした医療機関を紹介するのでそちらで受けるように勧めるも,患者本人も第一子も「我々は仲田先生から治療を受けたいんです.在宅までちゃんと見てくれる専門医をそのために必死で探したんです.」と述べたため,他院に紹介は叶わず,患者は既に死亡という転帰を迎えている.

 

 当該症例でニボルマブを投与したら余命が延長したのかについては疑問である.しかし,当該症例は,地域がん診療連携拠点病院に通院しながら,がんであるという告知も受けられず,満足に説明も受けられず,憤って当院に来られたのである.殊にわたくしががん対策基本法の理念を実現するための医療人を養成するというがんプロフェッショナル養成プランの1期生であることから,常々厚生労働省に対して現場の問題点を直接指摘しており,がん拠点病院の質が均一ではないという問題については,何度も事例をあげて報告してきている.医療機関側のスキルの問題で無念な思いをさせてしまった患者に対して,専門医としてなんとか応えたい,という思いは当然である.

 そもそも,院内にCTがないと間質性肺炎を疑うこともできないのががん薬物療法専門医や呼吸器専門医ならば,日本のがん診療の将来は暗黒の闇であろう.添付文書には「胸部X線検査等」と書かれており,当院には胸部X線検査装置はあるのだ.それなのに,小野薬品のアドバイザリーボードが勝手に自主規制でそれ以上のことを決め,流通制限を専門医に対してかけることの是非は,岩本弁護士の指摘するような単純な明らかな違法性がない,という問題ではなく専門医制度の問題に発展するので,小野薬品には再考を促し,その際に,「海外でどのような規制がなされているのか報告するよう」求めた.小野は11月10日に当院にブリストルとともに来て,海外で規制している国は一つもないという事実とともに,弁護士の文書を盾に考え直す気はない,と返答した.そこで,それを文書にするように求めたが,いまだに文書による回答は頂いていない.しかし,録音したものもあるので,証拠としては提出可能である.

 小野のニボルマブのアドバイザリーボード5名のうち4名は臨床腫瘍学会理事である.臨床腫瘍学会にとって,専門医が使えないような規制をすることが果たして是とされるのかについて11月19日の同学会理事会で話し合っていただけるよう,11月18日,全理事の勤務先にFAXをお送りした(別添資料4).しかし,理事会ではまったくこの件について触れられなかったと証言を受けた.

 そこで,臨床腫瘍学会に問い合わせ,今後の理事会で検討するなど考えているか11月21日に返答を求めたところ,翌22日,事務局員A氏より「大江理事長にお伝えしたが,この件については検討しないことを決定した」という返答をもらった.A氏からは,「明後日のがん対策推進協議会で大江先生と会われる際に直接話をしてほしい」と言われるも,「もうすでに大江先生がAさんに対して正式に理事長としてこの問題に対処しないと回答していることから,ボールはこちらにあるため,こちらとしてどう対応するかという段階であり,話し合う気もないということを受けて粛々とすべきことを実行していく.先般申し述べている通り,COIという問題もあり,また,専門医制度の問題にも発展するため慎重に対応するように求めたが,非常に残念である.予告通り,日本内科学会に対して臨床腫瘍学会がその2階としてふさわしくないという意見を申し述べることとなる.それを受けてどうするかについては,内科学会の問題となる.」と伝えた.

 このように,臨床腫瘍学会は,わたしに「2階としてふさわしくない」という意見を申し述べられることを覚悟のうえでこのような行為に及んでいるのであるから,何ら斟酌の余地はない.

 さらに,由々しき問題であると考えるのは,臨床腫瘍学会の大江理事長自身が当アドバイザリーボードのメンバーであることだ.通常ならば,自分が関与している案件については意見を申し述べることは出来るが議決権は持たない,という取り扱いがなされるはずである.しかるに,大江理事長は自分自身が関与しているにもかかわらず,「取り扱わない」と理事会にも諮らず独断で決定したのである.国立がん研究センターには倫理委員会もないのかと疑いたくなる.公平で透明な運営をしなければならない倫理委員会の規定では,当然自分が関与している件について議決権はないのである.ましてや委員長自らが都合の悪い案件を扱わないなど出来ようか.

 さらに,臨床腫瘍学会は,創設メンバーの西條長宏氏が引退後も牛耳れるよう,定款にはない事務局規定を作り,理事長が指名する事務局特別顧問を設け,西條氏が選任されているが,それらの規定も事実もそのホームページからは伺えない.

 西條氏が気に入らない人物は理事になれない,とのうわさも根強く,このような人物が学会事務局を牛耳り闊歩できる体制そのものが非難されるべきである.だからこそ,COI

という単純な問題に気づかず,理事長自身が関与している案件でありながら対応しないということを決定できるような意識しかないのである.

 果たしてこのような学会が,歴史と伝統と格式を誇る内科学会の2階としてふさわしいのかと考えたとき,私自身が9年間,腫瘍内科をサブスペシャルティーとして認めてほしいと内科学会に対して懇願してきたことを考えると苦痛ではあるが,医療において最も必要なのは透明性公平性公益性の担保であり,今,2階になれなければ専門医機構から専門医として認められなくてがん薬物療法専門医が将来的に消滅する危機にあるのだとしても,このままの体制で臨床腫瘍学会を2階として認めるべきでない,という判断をせざるを得ないのである.誠に苦渋の決断ではあるが,専門医制度は国民のために医師のいわば品質表示をするという制度であり,我田引水,オレサマのいうことがなんでも押しとおるような旧態依然とした学会運営がまかり通っているこのような団体を認めるべきでない.

 たとえその結果,がん薬物療法専門医が消滅するのだとしても,そのときは癌治療学会,癌学会,がん治療認定医機構などで新たな専門医を養成する透明性の高い枠組を作ればよいのである.自分の身を守るために医療において最も重要な公益性公平性透明性を損なうなどということは最も愚かなことである.そのような学会にどれほど存在意義があるのかについて,臨床腫瘍学会は自問すべきである.

 尚,同学会専門医であることの地位を同学会から揺るがされ,かつ,患者の思いに応えられなかったというわたくしの精神的苦痛に対して専門医として同学会ならびにアドバイザリーボード5名に対する損害賠償請求をすべく現在準備中であることを申し述べておく.制度を作るときは,その影響がどう出るかをきちんと検討すべきであるし,また,完璧な制度はないため,問題が出てきたときは改善するようしていったらいいだけのことであると考えるが,なぜこのような硬直した態度をとるのか,いまだに理解できない.

以上

 

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これに対して,上昌広先生のものはこちら.
彼にはもはや,医療改革なんてできるのかな?
だって,彼,何言っても全然スルーされてしまうよ?(笑)

上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)
 新規抗がん剤ニボルマブ(商品名オプジーボ)が話題だ。その理由は高額な薬剤費。肺がん患者に1年間使用すると、薬剤費は約3500万円もかかる。このままでは「医学の勝利が国を滅ぼす(里見清一医師)」ことになりかねない。4月には財務省の財政制度審議会でもやり玉にあがった。
本庶祐・京大客員教授との共同開発で小野薬品工業が発売するオプジーボ
 ニボルマブは、小野薬品がブリストル・マイヤーズスクイブ社(ブ社)と協力して開発した画期的な抗がん剤だ。リンパ球の一種類であるT細胞の表面に発現するPD-1分子に結合することで、がん細胞に対する免疫を活性化させる。世界で初めて実用化されたがん免疫治療薬で、開発者である本庶佑・京大名誉教授はノーベル賞の有力候補となった。小野薬品が臨床開発の候補として白羽の矢を立てたのは悪性黒色腫だ。皮膚癌の一種で、以前から免疫治療に反応しやすいことが知られていた。
 年間の発症数は2000人程度と少ない。治療薬を開発する企業には、優遇措置が与えられる。例えば、患者数5万人以下の疾病を対象とした薬剤は「希少疾病用医薬品」に認定される。承認審査は優先され、高い薬価がつく。
 14年7月、ニボルマブは悪性黒色腫の治療薬として承認された。世界初の承認だったことが話題となった。この時は、体重1キロあたり2mgを3週間に1回投与することが推奨された。薬価は100mgの静注製剤で72万9849円に決まった。年間470人が使用すると想定され、原価は積み上げ方式で45万9778円と算定された。さらに、画期的な新薬であるため、利益率は標準の16・9%の6割増しとなった。この結果、体重60キロの患者の年間の薬剤費は約1500万円となった。
 
 
 小野薬品は当初の予定通り、悪性黒色腫以外のがんの開発も進めた。そして15年12月には、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんにも適応が拡大された。この時の治験では、ニボルマブを投与された患者の生存期間は約3カ月延長し、治療から2年の段階で2割の患者が生存していた。
 注目すべきは、投与量は世界標準である体重1キロあたり3mgを2週間に1回投与するように増量されたことだ。この結果、1年間の薬剤費は約3500万円に跳ね上がった。肺がんの患者数は悪性黒色腫とは比べものにならない。もし、日本の肺がん患者10万人の半分が1年間、ニボルマブを投与されれば、薬剤費の総額は1兆7千億円になる。これは日本の総薬剤費を2割程度押し上げる数字である。
 肺がんに適応を拡大した際、ニボルマブの投与量は2倍以上に増えた。患者も100倍程度増えた。「希少疾病用医薬品」の主旨に照らし、薬価を引き下げるべきだ。子どもでも分かる理屈である。
ところが、厚労省は何もしなかった。当初、厚労省は消費税引き上げに伴う医療機関の損税に対応するため、17年4月に薬価を改定する予定だったが、安倍政権の消費増税延期とともにお流れとなった。
 中央社会保険医療協議会(中医協)では、ニボルマブだけでも薬価を引き下げようという話が出てきたが、日本医師会は乗り気ではなかった。その理由は「来年、ニボルマブの薬価を下げると、再来年の診療報酬改定で、医療に回す財源がなくなるから(医療業界誌記者)」だ。結局、何も決まらず、医療費だけが膨張する。迷走を尻目に、小野薬品はボロ儲けした。6月期には252億円を売り上げた。前年同期比17倍の伸びである。全医薬品の中で3番目だ。17年3月期の売上は1260億円と予想されている。
 最近、ニボルマブは腎細胞がんにも適応が追加されたし、小野薬品とブ社は、ホジキンリンパ腫、頭頸部がんへの適応拡大を申請中だ。さらに胃がん、食道がん、肝細胞がん、卵巣がんなどへも臨床試験を行っている。小野薬品も批判は理解している。同社社長、相良暁氏は朝日新聞の取材に答え、「先に肺がんで申請していれば、薬価は安くなったに違いありません」とコメントしている。
 ただ、「売上高が予想の1・5倍以上で年間1千億円を超えた薬に限り薬価を下げる特例拡大再算定制度も今年始まりました。高額薬を狙い撃ちにしたこれらの制度は経営の見通しを立てにくくさせ、研究開発へ負の影響も出かねません」と理解を求めている。製薬企業の経営者が、しばしば用いるロジックだ。
 ただ、20年度には全世界の売上が1兆円近くに達すると予想されているニボルマブに対し、この説明は説得力がない。私は、画期的な新薬に相応の対価を払うことを否定しない。ただ、程度の問題だ。ニボルマブを「夢の新薬」と煽り、高額な薬価を正当化しても、長期的には国民のためにならない。国民皆保険制度が壊れてしまっては、元も子もない。
プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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