川島なお美さんは壮絶な最期だったのか?

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壮絶な最期,って書いたほうが,一般受けするからでしょうか?

わたし,こんな書かれ方するの,彼女に失礼だと思います.

だって,彼女は,自分の意思で,「無治療」という選択肢を選択し,
なくなる2週間くらい前まで,きちんとマスコミの前に出て仕事をし

女優であり続けたんですよ.

激やせ,とか書かれることがわかっていても,ご主人と共に逃げも隠れもせずに
女優として堂々と振舞っていらっしゃいましたよね.

痩せたんじゃないかと言われても,しっかり食べてます,とにこやかに微笑んで.

美しかったですよね.

ご自分の身体の状況は,ご自分が一番よく判ります.

なのに,すごい精神力ですよね.

彼女は,女優川島なお美を演じきって亡くなったんです.

その生き方が,「壮絶」でしょうか?

わたしは,彼女は本当に,彼女を理解してくださる旦那様やマネージャーや周囲の方々に恵まれて
本当にお幸せな人生を歩まれたのだと思います.

なんか,がん患者の闘病記って,「壮絶」と結び付けられることが多いのですが.

安易にそうやってイメージを作って,がんを壮絶な疾患にしないでほしいなと
マスコミの方々に対しては要望したいです.

QOLという指標で言えば,川島さんはやりたいことを最後までやって
生きたのであるから,壮絶という表現はしないでいただきたいです.

こういう表現で,がんをミゼラブルな疾患だと決め付けるから

がんと診断されただけで自殺したくなる人たちが出る.

がんは,自分の人生を振り返り,周囲の人たちと向き合い,言いたいことを言い残せる時間はくれる疾患です.

わたしは,決してかわいそうな疾患ではないと思います.

そんなの,がん患者の皆様に失礼です.

 

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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