【雑感】「精神指定医」不正取得で数十人処分へ…厚労省

みなさま,こんばんわ.
精神保健指定医の不正取得問題.
聖マリアンナ医科大学でも2年くらい前に話題になりましたよね.
医道審議会にもかかりましたね.

医師免許のほかに医師免許をベースに厚生労働省が直接出す資格は
精神保健指定医,母体保護法指定医,麻酔科標榜医があります.

わたしも麻酔科標榜医を持っていますが,取るの大変でした.
疑義が入ると手術記録を提出しないといけなくて
外科が作成していなかったりして
そのうえさらにA教授(当時)が,わたしが秘書にとりあえず連絡したのを勝手にかわって出て
「物を頼むのに電話でとは何事だ.」とか,「来て土下座しないと出さない.」などというパワハラをいたしました.(2008年)

わたしはそのころすでに,香川大学の大学院生でしたが,大学は高知医科大学です.
なので,母校の教授(しかもわたしは第2外科の助教でもありました)にこんなことされると
本当にげんなりしました.

麻酔科標榜医の申請にあたり,追加書類の提出は
厚生労働省医政局総務課からの命令ですので,
大変仕方なく,総務課の麻酔科標榜医の申請担当に連絡したところ
たとえ個人情報保護法をもってしても,麻酔科標榜医の申請のための書類の提出命令には
抗えないように通達がなされているため,それをまず,そのわからずやのパワハラ教授に伝えて
だめなら総務課から直接高知医科大学に連絡するとのことでした.

そのままつぶさに大学の総務課に伝えたところ,つつがなく手術記録はいただけましたが.
なにやら,手術記録を作成していなかったそうです.

その後,A先生は,7年の任期を残して勝手に退職して関東の病院の院長になりました.
当時の病院HPの院長あいさつに
7年も任期を残して教授が民間病院に来た!これからはそういう時代だ,みたいなことが書かれてあって
「医局員捨てて何言ってんだ?」と鼻白んでいたものです.

ちなみに,わたしは,当時,A教授あてに,FAXを送りつけました.

ワードファイルを残してあるので,コピペします.

「A教授御侍史

前略

先日は、わたくしの不躾な電話に対し、懇切丁寧なご対応、誠に恐れ入ります。

さて、先日も申し上げましたとおり、厚生労働省医政局より局長通達として、「麻酔標榜許可の審査に係る医療法施行規則の一部改正留意事項について」が出されておりまして、標榜医申請に係る書類の提出を病院として拒否することは、個人情報保護法をもってしても不可能なようになっております。後ほど、そちらの事務方の井上様よりお話が直接あると思いますので、ご確認の程どうぞよろしくお願い申し上げます。

尚、今後は談判の相手はわたくしではなく、厚生労働省医政局総務課となりますので、教授レベルの話ではなくなる可能性のほうが高いと推察されます。卒業生として、母校の繁栄を祈念しておりますことを、改めて申し上げさせていただきたいと存じます。

時節柄、ご自愛のほど、お祈り申し上げます。

草々

香川大学医学部大学院

がんプロフェッショナル養成コース腫瘍内科

仲田洋美   」

白い巨塔のオジサン(教授)たちのおふるまいも本当に残念ですねえ.

でも.白い巨塔には素晴らしい教授たちもたくさんいるのですが.
自分の元上司がこうだと本当にげんなりしますねえ....

そういえば,A先生は,医局員当時の私に向かって
お前なんて髪クルクルして化粧してニコニコして坐ってりゃいいんだよ(*`Д´)ノ!!!
と言い放ったのでした.

ちなみに,わたしは高知医科大学第二外科の同門会である黒潮会を
A教授の指示で破門になったのですが.
新しい教授をお迎えして,黒潮会に無事に復活することができています.w
別にどうでもいいのですが.
学部学生時代から,第2外科のみなさんはかわいがってくれました.
わたしは卒業後すぐは第三内科学教室に入ったのですが
のちに11年目にお兄ちゃんと呼んでいる仲良しの先輩(マイナス1期生)のヒロセ先生が突然,「これからは腫瘍内科が必要だ.外科医が片手間に抗がん剤を投与する時代は終わった.」と言って,わたしを第2外科に入れたんです.
臓器横断型腫瘍内科医として.
それまでは血液・呼吸器・感染症内科だったので,消化器や乳腺を扱うこととなり,乳腺はまだしも消化器は四苦八苦しました.

学生時代,お兄ちゃんはかっこよくて,うちの学年の女子たちのあこがれの人でした.
糸結びなど,手術室のラウンジでうまくなるまで一日中やらされた.

学生時代の第2外科の先生方とわたしのこうした関係がなければ
腫瘍内科医としてのわたしは存在しない.
人と人の縁って不思議ですね.
誰も歩いたことのない道を歩くことになった私は,そののち,お兄ちゃんに恨み言を言ったりしました.
でも.
今となっては良かったって思える.
大学は後にしてしまったけど.
高知も出てしまったけど.
大学院は香川に行ってしまったけど.
今は東京にいるけど.

もっとずっと長い時間を過ごした第三内科も
第2外科も
わたしにとっては同じように大切な出身医局.

のちにわたしは麻酔科標榜医免許を取得.
麻酔科の立場も気持ちも,外科医の立場も気持ちもわかる総合内科専門医になった.
今,それらのすべてがわたしの役に立っている.
人生無駄はない.

腐っていた時期もあるけど.
腐っているときは何をしてもうまくいかない.
ただひたすら耐えるしかない.
人生いい時も悪いときもある.
楽観も悲観もする必要ない.
ただただ流れに任せて生きていく.

 

 

*******************

「精神指定医」不正取得で数十人処分へ…厚労省

  • 16/10/24
  • 記事:読売新聞

 精神障害者の強制入院などを判断する「精神保健指定医」の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は全国の数十人の医師について、資格の取り消しなどの処分を行う方針を固めた。昨年、聖マリアンナ医大病院(川崎市)で発覚した不正取得問題を機に、同省が調査していた。26日に開かれる医道審議会の専門部会に諮り、答申を踏まえて最終決定する。

 

同省によると、聖マリアンナ医大病院では、実際には診察していない患者の症例を使い回し、組織的に虚偽リポートを提出していたことが発覚。同病院の医師11人と、指導役の指定医(指導医)12人の計23人の資格が取り消された。

 

事態を重くみた同省は、2009〜15年に資格を取得した計約3500人について調査。保管していた症例リポートと患者のカルテなどを照合し、計約100人の指定医から事情を聞くなどした結果、数十人が十分な診察をしていない患者の症例リポートを提出していたと判断した。事情聴取の対象になったことを知り、自主的に資格を返上した医師もいるという。

 

指定医は、患者の意思に関係なく強制的に入院させる措置入院や、医療保護入院を判断できる精神科医。精神保健福祉法は、指定医として著しく不適当と判断した場合は、資格取り消しや職務停止を命じることができると定めている。

**************

指定取り消しの医師は次の通り

 精神保健指定医の指定を取り消される医師は次の通り(当時の所属医療機関名、医療機関所在地、氏名。敬称略)

不正な申請をした医師

 ▽愛知医科大病院=宮沢利和、長谷川裕記、野口貴弘▽明石土山病院(兵庫県)=伊藤毅、財田一也、宗和将志、田中健一、藤田学▽けやきの森病院(神奈川県)=坂口貴子▽宇治おうばく病院(京都府)=大田壮一郎▽横浜市立大付属市民総合医療センター=近藤友子▽岡山県精神科医療センター=池上陽子▽京都府立医科大付属病院=酒井雄希、水原祐起、西沢晋▽群馬県立精神医療センター=清野うらら、鈴木雄介▽高知大医学部付属病院=山内祥豪、須賀楓介▽林精神医学研究所付属林道倫精神科神経科病院(岡山県)=鎌田豪介▽昭和大学横浜市北部病院=山田英介、田村利之▽兵庫県立光風病院、神戸大医学部付属病院=岡崎賢志▽神戸大医学部付属病院=田中知子▽聖マリアンナ医科大病院(神奈川県)=橋本知明▽千葉大医学部付属病院=田所重紀▽都立松沢病院=浅野未苗▽都立多摩総合医療センター=金田渉、石井民子▽東香里病院(大阪府)=赤沢美歩▽国立病院機構琉球病院=海江田保彦▽兵庫医科大病院=浅野真紀、吉崎晶絵、岩永伴久、北浦寛史、浜田優一朗▽兵庫県立光風病院=井上由香、横山紘子、佐々木雅明、小泉千晶▽北里大東病院(神奈川県)=大林拓樹、田沼竜太郎、竜田彩▽湊川病院(兵庫県)=江口典臣、三家英彦、志村政幸、平岡やよい▽藍野花園病院(大阪府)=守谷真樹子、実松麻由子

確認を怠った指導医

 ▽愛知医科大病院(愛知県)=松原桃代、木村仁、多羅尾陽子、鈴木滋▽原病院(群馬県)=原淳子▽明石土山病院(兵庫県)=太田正幸▽けやきの森病院(神奈川県)=堤康彦▽宇治おうばく病院(京都府)=岡崎信也▽横浜市立大付属市民総合医療センター=近藤大三▽岡山県精神科医療センター=河本泰信▽京都府立医科大付属病院=中前貴、柴田敬祐、北林百合之介、成本迅、松本良平▽群馬県立精神医療センター=須藤友博、大舘太郎▽厚生会道ノ尾病院(長崎県)=畑田けい子、立木均▽高知大医学部付属病院=藤田博一▽済生会横浜市東部病院=吉邨善孝▽林精神医学研究所付属林道倫精神科神経科病院(岡山県)=井上慶郎▽昭和大横浜市北部病院=工藤行夫▽神戸大医学部付属病院=山本泰司▽聖マリアンナ医科大病院(神奈川県)=御園生篤志▽千葉大医学部付属病院=佐々木剛、白石哲也▽都立松沢病院=野中俊宏▽都立多摩総合医療センター=西村隆夫▽東香里病院(大阪府)=井家上譲▽国立病院機構琉球病院=原田聡志▽兵庫医科大病院=大原一幸、奥田嘉男▽兵庫県立光風病院=葛山秀則、関口典子▽北里大東病院(神奈川県)=大石智、高橋恵▽湊川病院(兵庫県)=田淵実治郎、山口道彦▽藍野花園病院(大阪府)=川島文雄

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

この記事へのコメントはありません。