【 浴室で死亡事故 】 の隠し方

ある日,もうすぐやめていく認定ナースのAさんが,暗い顔をして話をしてくれました.

この病院は,大変ですよって.

以下,聞いた話ですが.これらは事実であると関係者からは証言を得ています.

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地方自治体により,透析患者にたいするショートステイという形で,短期入院を受け入れる事業があります.(ショートステイは本来,介護保険の事業ですが,透析患者さんを受け入れてくれる事業所が少ないため,地方自治体が病院に対して支払うことで,病院でショートステイができるようになっています.つまり,病院に入院という形をとっていますが,入院の必要がない患者さんであることは理解できますよね?)

この最中に,ある病院で,その患者さんが浴室で死亡すると言う事故が起こりました.

足元もおぼつかなかったのに,誰も入浴介助に行かなかったそうです.

そして,浴槽でうつぶせに浮かんでいるのを発見したスタッフは,自分の職務の範囲内の患者ではない,別のフロアの患者なので関係ない,と放置したそうです.

そして,しばらくあとでナースが発見して,医師を呼び,蘇生を試みましたが亡くなりました.

かん口令が敷かれて.カルテにも何も書かれていません.

この病院は本当におかしいです.気を付けてください.

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わたしは,この証拠保全の人たちに通路で会ったので,びっくりしたんです.

でも.カルテを見ても,何もわからないようになっていました.

こういうのがあったんでしょ?と聞くと,それなりに知っている人は答えてくれるのに..

 

嘘だ...

こんなの嘘だと思いたい...

でも.病院の体質って変わらないんですよね...

 

隠すって,本当にいけないですね...

謝罪してニュースになっている病院は,まだ全然良心的だと思います.

こうやって平然と隠す病院があるんですよ...

 

そうして,わたしは,たくさんの問題に巻き込まれていくこととなりました.

胃透視検査で,胃がん,と診断されていたのに,担当医がチェックするのを忘れて

患者さんに伝えず,1年半以上すぎて,進行がんで貧血になってから気が付いて.

その時に,医療安全の医師が言ったことが忘れられません...

 

病院として最も困ることは,これがニュースになることだ.そうならないように対策している.

 

進行して積極的治療が限られる状況になって,ずっと前にいってくれていたら
手術も受けられたかもしれないのに,という患者さんの無念よりも

病院の評判が悪くならないようにすることのほうが大事と言い切る責任者.

ぞっとしました.

 

 

 

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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