三重大学病院麻酔科|麻酔科学会による三重大学サイトビジット初回終了

三重大学麻酔科問題 仲田洋美オフィシャルブログ for medical 仲田洋美の独り言

正義の女神

みなさま、おはおうございます。

news.yahoo.co.jp/articles/54dab231b200a3205b7bf118ac6fa37125d688a9
2月19日、三重大学に日本麻酔科学会が立ち入り調査をしたことはすでに報道されています。
記事は時間がたつと消えるので、引用しておきますね。

汚職・パワハラ・一斉退職…三重大病院に日本麻酔科学会が緊急立ち入り
2/19(金) 16:58配信

CBCテレビ

 度重なる汚職事件やパワーハラスメントなどで麻酔科医が一斉に退職した三重大病院に、日本麻酔科学会が19日午後、緊急の立ち入り調査に入りました。

 三重大病院の臨床麻酔部では、元教授ら3人が汚職事件などで相次いで逮捕されたほか、別の現職医師による部下へのパワーハラスメントも発覚しています。

 およそ20人いた正規の麻酔科医は一斉退職で4人にまで減り、三重大病院では麻酔科医を育成するプログラムが停止に追い込まれています。この事態を受けて日本麻酔科学会は19日午後、三重大病院に立ち入りました。

 「医師の一斉退職を招いた三重大学病院に、日本麻酔科学会がサイトビジットに入ります」
 (越智記者)

 日本麻酔科学会の「サイトビジット」は、麻酔科医の育成や医療の安全性を調査する目的で行うもので、研修医らから直接勤務状況の聞き取りを行うほか、退職した医師からもオンラインで聴取を行います。
 さらに、三重大病院には別の問題も浮上しています。

 日本麻酔科学会は安全性の観点などから、1人の麻酔科医が手術中の複数の患者に同時に麻酔を行う「並列麻酔」を原則禁止していますが、三重大病院ではここ3年間で「並列麻酔」を全身麻酔の手術のおよそ1割から2割で行っていたことを認めたのです。

 「県内在住者が、手術終了直前に急変し、結局亡くなった」
(三重大病院 兼児敏浩副病院長)

 2017年には「並列麻酔」を行った手術の最中に、三重県内在住の男性患者が死亡していて、病院側は、「並列麻酔」が事故の遠因となった可能性があることも認めています。

 病院では、ことしに入ってからは並列麻酔を行っていないとしていますが、不足する麻酔科医の人材確保は依然として大きな課題となっています。

2月24日現在、どうなっているのか?

日本麻酔科学会では、三重大学に在籍していた専攻医の方々15名くらいのヒアリングを実施し、先日の大学のヒアリングと合わせて専門医機構に報告する予定と聞いています。

仲田洋美がなぜ専門医機構にかかわっているのか?

わたしのこと、今回の三重の案件で初めて知り、『仲田はなぜそんなに力を持っているのか』という声がエムスリー掲示板なんてところで出ているのも聞きました。(わたしはエムスリー掲示板は見ません)
馬鹿じゃないの?と思いますが。

わたしは2回白い巨塔から冷凍されました。
1.2001年。自分の肺がん患者を勝手に臨床試験に入れられてしまい、勝手に治療を打ち切られるという医の倫理にあるまじき行為に対して母校高知医科大学第三内科(当時田口教授)で文句を言ったところ、クビになりました。そこで医療の世界に嫌気がさし、法学部に学士入学しました。その後、法律の世界はレトロスペクティブで、患者が実害にあわなければ何もできないことから、プロスペクティブに患者を守れる可能性がある医療の世界に戻り、2005年、内科専門医を取りました。

2.2009年。大学院で死亡事故とその隠ぺいを目撃し、再発防止を訴えたところ、臨床実習停止され、専門医をとるためのがんプロコースの1期生だったのに、専門医を取れなくされてしまいました。このとき、文科省に励まされ、自力で症例を稼いで論文を書き、学会発表もこなしてなんとかがん薬物療法専門医を取りました。最後、症例を専門医試験に出すときのハンコなんかは、文科省が大学に連絡してくれてもらうことができました。文科はこのとき、通常ながくても2年で変わる担当者を6年も同じ係に付けてずっと見守ってくれました。がんプロは文科の肝いり事業。その1期生でもっともはやく専門医を取れそうだったわたし(もともと血液内科出身で固形がんにシフトしたため)に起こったアカハラ事件に文科は強く介入しましたが、大学の自治のまえにどうしようもなく、悔しい思いをしたそうです。このときわたしの指導教官は専門医機構の前身の日本専門医制・評価認定機構のときから専門医制度に関わっていた千田教授。日本医学会連合の発起人にも名を連ねる実力派教授ににらまれた大学院生の私はどうしようもありませんでした。

このような経験から、専門医制度をパワハラから守りたい、という思いが強くなりました。
くそじじいどもは何かあったら 専門医とれなくしてやる くらいのことは平気で言います。今回も三重大学麻酔科に復帰なさった宮部先生が似たようなことをおっしゃってますよね。全国津々浦々、まだそういうことは起きております。

専門医を取る、ということは医師の生涯教育として非常に重要なはずなのに、そのシステムが私物化されていてろくな教育もされていないまま放置され、専攻医や初期研修医が事故を起こして将来を失う。そういう事故も裁判記録で目にしました。それが北見赤十字病院事件です。2011年に知り合った弁護士からその裁判記録を見せられて、専門医制度に対する怒りがこみあげ。
内科学会、厚生労働省にむかって専門医制度と初期研修制度を改革するよう迫りました。放置プレイをなくすように。

初期研修はすぐ変わりました。専門医制度改革は2012年にこのブログの写真に一緒にうつっている高久史麿先生(前日本医学会会長)が座長で専門医養成の在り方に関する検討委員会が始まり、1年位の議論の末に日本専門医機構が発足し、2017年度より新専門医制度がスタートする予定でしたが、紆余曲折ありながら、1年延びたことで2018年より始まりました。

実は、専門医機構のパワハラ通報ボタンを設置するよう申し入れたのもわたしです。2020年春頃HPに設置されました。
通報されたときに介入する仕組みがないのに、という人もいましたが、実態をつかむために必要なので作るよう申しましたところ、さっそく先生方のSOSを受け止めることができました。
わたしが申し入れたことはまだあって。
指導医講習をするようにと言うことです。パワハラ撲滅のためには指導医のレベルの均填化と厳格な資格化が必要だと考えるからです。これも近日中に実現するはずです。

わたしはただ白い巨塔には尊敬されて愛される存在でいてほしいと願っています。
われわれ医師にとっては母胎ですので。母を愛せない子どもほど不幸な存在はありません。
しかし、母胎がわれわれをどれくらい裏切り続けてきたのか、その深刻さも誰よりも理解しているつもりで、なので一生懸命改革しようとしてきました。

地域医療の最高峰であるはずの大学病院が、手術件数をこなすためだけに並列麻酔を行い、患者を死亡に至らしめ、それを公表しても来なかったことについては、怒りを感じます。

麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?

www.carenet.com/hihyomon/043.html?utm_source=m15&utm_medium=email&utm_campaign=2021021705
ケアネットの記事を引用します

1.麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?
三重大学医学部付属病院において、2017年に麻酔科医が4件の手術をかけ持ちする「並列麻酔」を行い、手術中に患者1人が死亡する医療事故が発生していたことが発覚した。並列麻酔は、医療事故のリスクが高まることなどを理由に、日本麻酔科学会が原則的に禁止している。

同院の医療事故調査委員会は、並列麻酔が患者の死亡につながった遠因である可能性を言及し、今年に入ってから並列麻酔は一切行っていないとしているが、2020年までは20%前後の手術で並列麻酔が行われていたことを明らかにしている。

三重大学では、臨床麻酔部の元教授らが、不正な診療報酬請求による詐欺の疑いで逮捕され、昨年から麻酔科医の退職が相次いでおり、人手の足りない手術を他病院で実施するなどで対応している。今後、再発防止策を立案するとともに、信用回復と人員確保が最優先となるだろう。

そうなんですよ。ケアネットのこの記事のタイトル、意外といいかもです。「隠蔽」ってタイトルにはっきり書いてありますよね。
どうしてかというと、わたしの耳には、三重大学は2017年死亡の患者さんについて、「遺族の希望で」公表しなかったと言ってきましたが、実は、「遺族は公表してほしいと言ったのに、大学側が公表したくないと遺族を説得した」と述べているようだ、と入っています。
これが事実とすると本当に悪質極まりないですね。
三重大学麻酔科の大量退職手術室出禁パワハラなど黒歴史vs仲田洋美vs札幌医大麻酔科の中で書いた通り、この死亡事故の被害者は三重大学医学部の卒業生で外科医のかたです。当時の病院長は次期学長の伊藤さん。自分たちの立場を守るために、死亡した外科の医局員の家族に「公表したくない」と圧力をかけたという構図ですよね。
なくなった本人を特定できてからはわたしはそんなことじゃないかと思い、ずっとそう述べてますが、ついに三重大学がそう言っていると聞いて、わたしの想像ってよく当たるのよねっていやになっています。
三重大学は、専攻研修体制整備以前の問題として、医療安全に対する意識を改革しなければならないのではないでしょうか??

これからどうなっていくのか?

これに関しては、どこの社か忘れましたがすでに報道されています。2月の専門医機構の理事会がおわってから記者会見がありましたので。

寺本理事長は、「機構としては、専攻医がきちんとした研修ができるかどうかが主体となる。プログラム委員会で、どんな視点でサイトビジットでやるかを検討しており、そのサイトビジットに合格できれば再開ができる」と説明したそうです。

最終的には専門医機構のサイトビジットがなされて、プログラムを再開してよいのかどうかという判断をするようになるでしょう。
しかし、そこまでの間に、まだまだ調査が必要となるでしょう。
なのでこのブログのタイトルも初回サイトビジットとしました。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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