三重大学病院麻酔科|元教授と講師が贈収賄で逮捕、准教授は詐欺で再逮捕

三重大学麻酔科問題 仲田洋美オフィシャルブログ for medical 仲田洋美の独り言

正義の女神

みなさま、こんにちわ。このページには個人名がたくさん出てくるため、敬称略とさせていただきます。

三重大学病院麻酔科亀井元教授、松成元講師が逮捕、境准教授は再逮捕(診療報酬不正)

12月26日のブログで予告した通り、亀井先生(教授)、松成先生(講師)が1月6日に逮捕された。

この件では報道にもある通り、日本光電の社員も二人逮捕されている。
この件は、実は、9月の大学の記者会見のときから警察は動いていたようで、8月中旬にはすでに【愛知】県警が動いていた事実を突き止めている。

ところで、三重大学伊佐地病院長の記者会見は2020年9月11日であった。
三重大学病院長伊佐地記者会見

奇遇であるが、同日、わたしは、三重大学のプログラムを停止しなければならないと強く提言した。
理由はたった一つ。プログラム責任指導医が4月から不在のまま半年近く経過し、麻酔科学会にも専門医機構にも報告も相談もしていなかったからである。
わたしは、日本内科学会が2015年に専門医制度に関する厚生労働省の考えを聞く、という係りに任命し、2016年初頭には、日本医学会会長(当時高久史麿先生:for medicalのブログに一緒にうつってるお方)と仲が良いことから、日本医学会との意思疎通を図る日本医学会会長係に任命された。当時、専門医機構周辺があれていて、当時の塩崎厚労大臣に機構が潰されそうになったため、アカデミアとして団結して跳ね返す必要があったため、もともと「現場と政策をつなぐ人材」として霞が関から評価が高かったわたしを内科学会が投入し、それ以来ずっと専門医機構の周辺の調整係をしている。
機構の理事でわたしを知らない人が居たら、「もぐり」もしくは「さぼり」である。
ちなみに、専門医制度改革の発端者もわたくしである。2011年に北見赤十字病院病院事件を知り、初期・後期研修医が指導医の放置プレイで38歳の命を奪ったこと(入院しなければ全然死ななかった精神科の患者)を重く見て、専門医制度改革を断行することを当時の内科学会寺本理事長に非常に強く提言したものである。こうして日本で20年以上膠着していた専門医制度改革の歯車がぐるっと回ったことは医療マスコミなどでは有名な話である。

ポイント内科学会が仲田を医学会会長係りに任命したことについて当時(2015年~2016年初頭)の事務局長や理事長しか知りえないことなので、お代変わりして、「日本内科学会はそんなことはしていない」とほざく事務員がいるが、当時、わたしに係りを頼んだ本人の音声ファイルなども残っているので、内科学会が「仲田先生にそのようなことを頼んだことはない」などと言っている場合は知らせてほしい。わたくしに対する名誉棄損に該当するため、この件に関しては断固法的措置を取る。内科学会が頼んだという証拠も持っているので裁判となると勝てるであろう。現在は、内科学会ではなく厚生労働省から医学会との調整作業を承っており、いずれにしても医学会などのアカデミアと機構と厚生労働省の間で調整する人材であることに間違いはない。

話を元に戻そう。わたしの疑問は、「三重大学はなぜ記者発表の時に贈収賄の調査をしたことを隠したのか」という点である。「警察の捜査が行われていたから」と返答しているようであるが、ちょっと腑に落ちない。なぜなら、カルテ改ざんやその先の診療報酬不正請求(詐欺)についても「告訴する方針」と言っているので、「捜査に関係する事」として記者発表できない、という論理になるはずである。
だけど、彼らは、「贈収賄について大学が調査した」ことについては隠している。
ところが、彼らは本当に、贈収賄について、企業からの聞き取り調査などもやってるように聞いており。いろんな証言を全国から寄せ集めると本当に、「贈収賄について調査した」のである。この件に関しては証拠もある。

三重大学はなぜ贈収賄について記者発表しなかったのか?

これについてはわたしが理路整然と推理する。医師の業務は診断を付ける事であるが、診断を付けるのにすることは臨床推論である。推論こそが医師の技量ということとなる。それでは、わたくしの推論の腕前をご覧あれ。

また、わたしがこの推論をするのに使ったのは、情報公開請求された三重大学の調査報告書である。
こちらは、三重大学の院内調査報告書である。
三重大学院内調査報告書

さらに、三重大学第三者調査報告書である。
三重大学第三者調査報告書

スマホでは見れないようなので、リンク先からダウンロードできるようにする。
院内調査報告書
第三者委員会調査報告書

結論:三重大学にとって贈収賄を大学が調査した事実を発表することは都合が悪い事だったので隠したのではないか

まず、結論はこうなった。以下、この結論に至るまでの事実をお伝えすることとする。

三重大学臨床麻酔部のメンバー紹介

kyoin.mie-u.ac.jp/403_KYOIN_Data.aspx?fid=50&did=60
三重大学臨床麻酔部メンバー

Factor1:松成講師の捜査は8月から始まっていた

松成講師のところに愛知県警が行ったのが8月中旬である。このことについて、複数の証言がある。松成さんは一切カルテ改ざんには関与していない。8月に愛知県警が動いていたことが証言されており、その何か月か前には告発がなされていたことになる。捜査は昨日届けたからと言って今日始まらない。

Fator2:証拠を出したのはS助教一人

麻酔記録にオノアクトが境准教授により追記された証拠を提出したのがS助教

院内調査報告書の6ページ目に (5)他の医師らの認識 として記載されている部分であるが、2020年2月ごろから自らが担当した症例について患者が退室した直後の麻酔記録をプリントアウトして保管し、後日の麻酔記録と比較してSさんが25症例分出したことになっている。

フロートラックセンサーについての証言もS医師

黒塗りで見えないが、エドワーズライフサイエンス社のフロートラックセンサーがほとんど使わないにもかかわらず請求されていたということを証言したのもS医師ただ一人である。この件に関しては、不正請求の件が報道された翌週に臨床麻酔部に突然復帰した宮部が、「亀井らがいなくなったあとに使用量が減ったためわれわれはフロートラックセンサーに目を付けた」と申し述べていると聞き及んでいることからわかる。書かれてある可能性のある部分としては、院内報告書のp12の大きな黒塗り部分ではないのかと推測する。

第三者調査報告書P8 にあるとおり
「(エ)2019年12月、S医師が、自身が担当した手術の麻酔記録が改ざんされていることに気付いた。そのため、2020年2月頃から、自身が担当した手術の麻酔記録を手術直後にプリントアウトして保管することとした」のであるが、わたくしが委員であれば、S医師にこう質問したであろう。
「先生は、12月に気が付きながら医局内で是正する努力をなにかしましたか?」
院内調査報告書p8によれば
いきなり2月から証拠を収集し、3月にこれを提出し、病院長特命補佐(医療情報システム担当)の医師である安積良紀医師による調査を経て2020年3月28日、安積良紀医師が病院長等に報告したことにより発覚したと書いてある。安積良紀医師の名前は調査報告書のp8では黒塗りにされているが、院内調査報告書の委員の欄に「病院長特命」で安積良紀医師が入っているため、安積良紀医師で間違いないと考えられる。

ちなみに、我々は「亀井が医局員に出したメールが押収されている」ことについてはずいぶん前から知っていたが、このメールの入手方法が
1.医療情報システム担当のA医師がサーバーから入手した
2.臨床麻酔部で唯一反亀井派だったS医師が提出した
のいずれかではないかと考えている。

1.の場合、当該メールの入手方法につき問題はないのかが疑問である。また、捜査機関でもない大学が、サーバーが大学にあることを理由に個人のメールなどを勝手にサーバーからとり、学内調査に使うなどする場合、防御策としては個人のgmailなどを使うということとなろう。いずれにせよ、大学が院内調査の段階で亀井らに許可も得ずメールを回収したのだとすると、それこそ「倫理的に」問題である。
2.であれば、大学の調査委員会はS医師の提出した証拠のみに基づいて調査を行ったと非難されることを覚悟しなければならない。

さて。
問題は、別のブログにも書いた通り、この告発者であるS医師は、2017年8月の泌尿器科手術による死亡事故を引き起こした本人であり、また、同ブログに書いてある通り、亀井が教授になった後(2018年4月~2020年10月)に、生体肝移植による死亡事故が起こっているが、これも「責任者不在で難しい症例を受けてはならない」と亀井が申し渡していたにもかかわらず、S医師が麻酔を行ったものである。通常、これほど出血するのであれば、通常の麻酔科医ならば、「スポンゼルなどで止血するので血管外科を入れろ」と指示をするところ、S医師にはそのような差配をする器量もなく、また、外科医に気に入られるようにうまく立ち回ることしか考えていなかったのか、外科医にそんなことを言い出せず、150リットル近い出血を引き起こして周術期死亡しているとのことである。血圧も低めに保たなければ肝臓は一番出血する臓器である。そして、問題なことに伊佐地病院長は、「肝胆膵外科」の教授だった人だ。つまり、この死亡事故は、伊佐地が肝胆膵外科教授時代に伊佐地のお膝元でおこった事故である。東京出張から帰った亀井は驚いてICUに肝胆膵外科を呼び集め、このような事故は起こらないようにしなければならないとやんわりと述べたようであるが、肝胆膵外科は怒って帰っていったそうである。事実とすれば、三重大学病院は移植医療を行うにふさわしくないため、移植医療の認定から外すべきではないのか。
そして、この生体肝移植のレシピエント(おそらく。ドナーが死んだらさすがに騒ぎになる。ドナーは提供する人。レシピエントはもらう人。)の死亡事故を契機に、肝胆膵外科とS麻酔科医という加害者たちが、亀井憎しと結託するには十分すぎる状況証拠であろう。

Factor3:伊佐地病院長のアブノーマルな病院長人事

kyoin.mie-u.ac.jp/404_KYOIN_Fixed1.aspx
上のリンクは三重大学の幹部らの名簿である。
三重大学役員
伊佐地病院長は2019年4月に定年を迎えて退職している。
www.medic.mie-u.ac.jp/hbpt/domonkai/
上のリンクは三重大学肝胆膵外科の同門会HPである。
伊佐地
ここに記されている通り、伊佐地は2019年3月末で定年退官している。通常なら三重大学に教授として残ることは出来ない。しかし、伊佐地を病院長に引き上げたかった元副学長伊藤正明が主導して、寄付講座の教授に定年退官した伊佐地を据える、という荒業をやってのけたとのうわさがある。大学を私物化しているという非難を免れないであろう。というか、寄付講座は寄付で成り立つわけであるが、最低でも年間2000万は支払ってもらわないと寄付講座の開設は出来ない。いったいどの企業が何を目的として伊佐地を寄付講座の教授に迎えたのか、マスコミはこの点に着目すべきだろう。
伊佐地は寄付講座の教授を半年間務めた後、伊藤の強力なバックアップで病院長選を勝利して2019年10月より三重大学病院長となった。
さらに、2020年10月、三重大学は任期満了に伴う次期学長に伊藤正昭を選出したが、この際の学内選挙に大活躍したのが伊佐地だそうだ。学長選は大学にもよるが、三重大学では一般職員も投票権がある。教授も看護師も1票なのだ。すると、病院長の意向は誰より絶大な影響力を持つ。そうして、学内政治の権力闘争をのし上がったボス猿が据わるのが病院長、医学部長、学長などといった椅子である。一度黒く染まるとますます黒に染まっていくというスパイラルが絶ち切れそうにない構図である。
こうして伊佐地と伊藤の間には持ちつ持たれつ、切っても切れないきずなが生じていることに疑いの余地はないであろう。

ちなみに、宮部が臨床麻酔部教授時代に宮部のパワハラを訴えられて敗訴しているが、この時の病院長が伊藤である。このパワハラ事件では、実行した宮部だけではなく、伊藤病院長も「適切な対応をしなかった」と認定されて敗訴している。ということは、伊藤と宮部の間には、このパワハラ裁判を通じて人間関係が出来上がったとみるのが自然であろう。

三重大学第三者委員会の報告書p8 「(オ)このように、2019年3月頃以降は、(境准教授)による麻酔記録の改ざんなどは、次第に多数人に知られていったが、問題となるまでには至らなかった。」と記載されている(括弧内は現時点の情報から黒塗り部分を当方が補足したものである)が、大学の主張通り、亀井が教授に就任して以来ずっと綿々と行われてきたのであれば、S医師はなぜ、これを「2020年2月」になって証拠を残し、大学に提出する、という所業に出たのかについて謎が残る。

通常、正義感に駆られてのことであれば、知りえた時点で問題を是正するための戦略を練り、是正されるように働きかけるであろう。
しかし、S医師は違った。とすると、S医師の告発の動機は何か?

伊佐地が伊藤のバックアップで病院長になったのが2019年10月であることを思い出すと、まるで伊佐地が病院長になるのを見計らってやったと言うのはうがった見方なのか。

S医師は、死亡事故が圧倒的に多く、「殺人麻酔医」と中傷されていたそうである。そして、S医師が絡んだ生体肝移植の手術で150リットル近い出血ののち、周術期死亡事故となったことを亀井に「咎められた」と受け止めたのであれば、「やられる前にやろう」と「伊佐地―宮部(亀井の前の臨床麻酔教授)―宮部の愛弟子のSライン」が企図したとしても不思議ではない。これはあくまでも推論であるが、状況証拠としては十分だろう。

Factor4:三重大学第三者委員会の第三者性にたいする疑義

第三者委員会のメンバーは、当方の調査した限り
委員長 祖父江和哉(名古屋市立大学麻酔科教授)
委員 大塚耕二(弁護士)、谷眞澄(看護師:医療安全の著書あり)、蜂須賀丈博(市立四日市病院診療部長)、原祐子(伊勢赤十字病院麻酔科部長)
となっている。

ところで、伊勢赤十字病院麻酔科は、三重大学麻酔科の専攻プログラムを見ると、

基幹施設である三重大学医学部附属病院,連携施設である独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター,三重県立総合医療センター,三重県厚生連鈴鹿中央総合病院,市立伊勢総合病院,三重県厚生連松阪中央総合病院,済生会松阪総合病院,松阪市民病院, 伊勢赤十字病院,名張市立病院,大阪大学医学部附属病院,国立循環器病研究センター,大阪母子医療センター,順天堂大学医学部附属病院順天堂医院, 横浜旭中央総合病院において,専攻医が整備指針に定められた麻酔科研修カリキュラムの到達目標を達成できる教育を提供し,十分な知識と技術を備えた麻酔科専門医を育成する.

と書かれてあるため、大学からすると基幹施設と連携施設の関係になり、身内同然である。

蜂須賀丈博氏に関しても、三重大学外科の研修プログラム運営委員であり、伊佐地秀司現病院長がプログラム運営責任者であったと三重県地域医療支援センター外科専門医後期臨床研修プログラムの資料に記載されているため、こちらも三重大学外科とはずぶずぶである。

谷眞澄は三重県看護協会専務理事であり、三重県唯一の大学医学部の意向を排除できるとは考えにくい。

大塚耕二弁護士もまた三重県在住の弁護士であることはリンク先から明らかであろう。

委員長の祖父江を推薦したのは日本麻酔科学会であり、この人物だけが三重県と関係ない人物であることとなる。こんな第三者委員会は第三者とは言えないというのが社会通念であろう。

だからこそ、わたしなら真っ先に、「S医師はなぜ、2020年2月までこの事態を放置したのか」という謎を解き明かすが、この第三者委員会はまったくそのようなことはおこなわなかったのである。第三者ではなく、形だけ第三者委員会を作り、院内調査報告書に従った内容を結論付けるためのまったく形式的な委員会に過ぎなかったのであると言っても過言ではないだろう。

すると、「三重大学第三者委員会に臨床麻酔部から唯一の証言者であるS医師の情報や亀井と外科との確執は伝えられていたのか?」はあくまでも推測ではあるが、状況証拠からはNoでしかありえなく、第三者委員会は「伊佐地(肝胆膵外科)―宮部(亀井の前の臨床麻酔教授)―宮部の愛弟子のSライン」と「亀井(臨床麻酔部)」の対立構造や、伊佐地(病院長)と伊藤(副学長、次期学長)との密接なつながりという人的背景を一切無視して、一方的に亀井を断罪するための会議を遂行したことと評価されても仕方がないであろう。

正確な情報が与えられず、一方的に病院が出したい結論しか出せないような第三者委員会など存在意義はないといって過言ではないだろう。

但し、もしもこの第三者委員会にこれらの情報が正しく伝えられたとしても、病院の出したい結論になったのではないか。日本人は空気を読み、行間を探る。このメンバーではどうしようもないのではないか。

Factor5:実は全国的に医学部医学科の臨床医学の教室がNPOや一般社団法人を作って似たようなことをやっている

特に阪大系の医師たちが教授として赴任すると、阪大では「浪速商人」なので、自分の懐からではなく別の財布から出そうとする文化があるのか、通常ならばたとえば医学部医学科の学生の勧誘などは丁寧に全学生行い、それらは「医局費」という医局の医師たちから巻き上げた(失礼!)金子で賄うところ、企業からの寄付金で捻出する、という運営をしているところが多いようである。
そういう教室運営をしているところから、「贈収賄で亀井を刺した」、「しかも副学長ー病院長ー宮部・S助教という大学主流派と臨床麻酔部の内部抗争から」ということが明らかとなると、三重大学は一斉に全国の白い巨塔から恨みを買うことは間違いない。これはわたしの推測であるが、今頃、文部科学省では各大学医学部に、「一般社団法人を作って企業からの寄付金を集めているところがないか調査せよ」という指令を出す準備をしているのではないか。三重大学の派閥争いの結果、「大学幹部側がS医師の麻酔中の死亡事故や生体肝移植における150リットル近い出血と言う常軌を逸した医療安全体制のなさを棚に上げ、自分たちが正しいと信じて疑わず、こうしたことが表ざたになるはずもないとただ無邪気に信じて、対立構造にあった臨床麻酔部に挑んだ」結果として全国の大学医学部の教室に文科省の調査が入り、多大な迷惑が及ぶこととなった、ということが知れ渡ったら、彼らは相当恨まれるだろう。
だから、「カルテ改ざんも診療報酬詐欺に結びつく刑事事件化が避けられない事態」ではあるが、こちらは高らかに記者会見して勝ち誇り、贈収賄についてはすでに捜査中であることを理由に院内ならびに第三者委員会の調査事項には含まれていたのに「発表しなくていい」と記者会見で述べなかったとしたらつじつまが合う。
尚、贈収賄について、亀井がつくった社団法人について調査委員会から質問をうけたという医局員の証言があるため、大学が調査したこと自体は間違いがない。

都合が悪い情報を出さない体質は、2017年8月の泌尿器科の手術中の死亡事故の記者発表をしないという態度にも表れている。三重大学では自分たちに都合がよいことを発表するのが記者発表なのであろう。

結論

以上、まだまだファクターはあるが、三重大学にとって贈収賄を大学が調査した事実を発表することは都合が悪い事だったので隠した、と結論付けるにはこの辺でもう十分だろう。

三重大学の医学生諸君

このような大学の実態に君たちが絶望していることは聞き及んでいる。

地域枠で特に外科に行きたい学生は、本当に不安でいっぱいだろう。
たとえ他県で外科専門医になることを三重県が許可したとしても、地域枠はいずれ三重県にかえって仕事しないといけないので、三重大学外科が君臨し、ヘドロのように絡みついて蝕んでいくことが容易に想定されるとするならば、外科医になりたくなくなるだろう。
わたくしは、外科学会にずっとアプローチしているが、外科学会がこれを放置するのであれば、三重県の外科専攻医はゼロが続いても仕方がないと思っている。
むしろそうあるべきだ。

なぜなら、収賄はたしかに刑法犯ではあるが、お金に絡んで人は死なない。
しかし、S医師が絡んだ死亡事故を隠した(公表しなかった)大学執行部側に軍配が上がり続けるのであれば、こんな大学は不要であると誰もが考えるであろう。
人の命を守りたいと思うのが医者であり、厳しい受験戦争を勝ち抜き、医学を勉強することしか殆どする時間もないくらい勉強に追い立てられた挙句、「人の命をなんとも思っていなさそうな」大学執行部がのさばり続けるのが三重大学病院ならば、そんなところに進みたくない、いたくない、と思って当然である。

君たちはこの三重大学の現状について、思うところを文部科学省や厚生労働省や三重県に述べてよい。
君たちは三重県にとって、「大切な医師のたまご」たちだ。無下にされたりはするまい。
そして、自分が働きかけた内容を全部記録に取れ。相手が何もしなかったら後日、何もしなかったと公表すればいいのだ。
戦い方は無限にある。
知恵を使い、勇気を出し、医師とは患者を守るものなのだ。

そして、誰かを守るなんて歯を食いしばってすることなのだ。
誰も守らなくていいと思うなら医者になるな。
そんな医者はいらない。
付言しておくが、君たちが守るべきは無垢な三重県民(国民)であり、腐ったジジイどもではない。戦え。

何なら、「地域枠の解除」を求めて法廷闘争するがいい。
なぜなら君たちが受験した時、三重大学は このようなひどい状況に三重大学病院がある ことに言及していない。
「このような状況であると知りえたならば通常人であれば三重大学の地域枠に応募しなかったであろう」と民法95条1項2号「錯誤無効」を主張して争えるのではないか。これが裁判で認められたとしたら、君たちの地域枠は外れる。
地域枠の学生は、大体はどこでも9年間は地域に縛り付けられる。
なのに、大学病院がこのありさまだと知っても逃げようがないのは酷すぎる。

せめてこんな状況だと知っていたら、逃げられない地域枠ではなく一般枠で受験するんだった。
通常人ならそう判断すると裁判所で判断されたら君たちの地域枠は外れる可能性がある。

父兄に相談して法廷闘争するがいい。お気の毒すぎて同情も集まるはずだ。何なら集団訴訟も手段の一つである。

一方で、君たちの大学改革に対する要求をちゃんと伝えるのだ。なんならわたしが一緒に交渉してあげるので、メールでもツイッターのダイレクトメッセージでも頂戴。但し、非弁行為は出来ないので、アドバイスをするのみ、または弁護士同伴で弁護士にアドバイスをする、のいずれかになる。
わたしは必ず弱き者の味方をする。約束する。
以上。

まとめ

院内調査報告書のp14にこの記載がある。

なお、【亀井教授】らが、積極使用の方針のみを示して具体的な説明や教育を行わずに上述の危険性がある薬剤を部内の医師ら(研修医を含む)に使わせようとしたことについては、愚者の安全を蔑ろにして【オノアクト】の使用量を増加させようとするものであり、医療安全及び医療倫理上極めて大きな問題である(なお、本件では担当の麻酔医の適切な判断により実際の手術では患者の安全を犠牲にするような【オノアクト】の使用はなされていない。)。

【 】内はわたしが報道内容などから補足したものである。

院内報告書には「医療安全」「医療倫理」上、亀井の行為が問題であるという記述が少なくとも2か所ある。

しかし、本件は実際には患者の安全を脅かすような問題ではなかったとはっきり調査報告書で否定している。

およそ医療機関たるもの、最も罪深きは自らの力量不足で患者を死亡させることであり、なぜ三重大学病院は死亡事故を複数おこしたS医師を重用し、その証言や提出した証拠を採用したのかについて甚だ疑問である。
これはもう、三重大学病院と三重大学本体の中枢部が腐敗しており、巨悪が小悪を駆逐した格好に他ならない。

三重大学よ。わたくしは問いたい。死亡事故の多発を放置した中枢部と院内・第三者調査報告書双方に患者の安全に実害はなかったと明記されている亀井ら、どちらが医療安全や医療倫理的に問題なのかを答えてほしいのだ。そして、自らの行いとの整合性が取れない場合は去れ。もはや伊佐地は辞任するしか道はないのではないか。

わたくしも2回内部告発して白い巨塔から2回冷凍された経験を持つ。わたくしには一方的に同情が集まった。なぜならわたくしは「真っ白」だったから。
純白なものを畏怖する癖に告発者を「危険」として忌避する日本の文化にあって、告発者は少なくとも白くなければならないのに、一体なぜ、三重大学は限りなく黒に近い「殺人医師」と中傷されていたS医師を使ったのか。

考えていくと一つの結論にたどり着く。おそらく、彼らは私物化している三重大学で、中枢部のこうした運営に外部から異を唱えられることなどない、こんなことをしてもどこからも何も言われないと高をくくっていたのではないか。
だとしたら、三重大学にとって最大の誤算は「仲田洋美」ひいては「専門医機構」の存在であろう。
彼らは、専門医制度を第三者機関である専門医機構が運営することの意味を理解していなかったのではないか。

そして偶然、「専門医機構に申請した時の要件をお守りいただいていない」、つまり、「麻酔科プログラム責任指導医の亀井が4月以降半年近くという長きにわたり不在であった」という明確な要件違反について問題にしてプログラム停止となったわけであるが、だからこそ、三重大学の問題点が浮き彫りになってきたのである。

宮部は今までほかのブログに書いてきたように、自らの出身の札幌医大系列の教授たちに、「自分がプログラム責任指導医になると言っているのに麻酔科学会が認めないのはけしからん」と吹聴し、麻酔科学会を揺さぶった。今までならば、こうやってヤクザよろしく麻酔科学科に圧力をかけて内部で ちゃんちゃん と手打ちしていれば何とかなった。

しかし、今は専門医機構があり、麻酔科学会が認めても機構が認めなければスムースに進まない。我々はこうした効果を狙って専門医制度改革を断行したのであるが、一般の医師たちには意味が分からない為、いまだに専門医機構なんていらないとギャーギャーいう馬鹿どもがいるが、機構は必要である。

機構は、パワハラ通報窓口もわたくしの提言により昨年設置したので、いろんな案件がキャッチされている。そうして徐々に現場を改善していく。そうしたプロセスが実行可能となっていくのは素晴らしいことだ。

話を元に戻そう。
三重大学よ。わたくしはもう一度問いたい。死亡事故の多発を放置した中枢部と院内・第三者調査報告書双方に患者の安全に実害はなかったと明記されている亀井ら、どちらが医療安全や医療倫理的に問題なのか。後者、と答えるものは医療人としてふさわしくないので全員三重大学病院から去れ。

三重県民よ、そして国民よ。こんなことでいいのか。

われわれはそう思っていないので、今、必死に戦おうとしている。神よ、われらにご加護を。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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